窮鼠なれど王を噛めーその19 ページ13
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「…ふぅ」
夕暮れが近づいて、練習が終わりに近づく。
俺はカラになったドリンクのカゴを持ったままため息をついた。
あの後、気持ちが浮かないままに先輩は練習へ、俺は仕事へと戻った。
青学のコートに行けば、皆にめちゃくちゃに心配された。あの越前までもが生意気さを忘れて俺の頭を撫でたから、「今なら死ねる…」と呟いたら「へぇ、全部片付けないまま地獄に逃げるんだー。」と言われた。やっぱりあのルーキー怖い。
その後青学の皆がドリンクを持って他校のコートへ行ったので、比嘉中のコートへ行ってみた。
案の定と言えば案の定、今は皆部屋にこもっているのか誰もいなかった。
コートから電気のついた部屋を見上げると、「もしかすると荷物を片付けているのかも」なんて考えが頭をよぎってぐっと唇を噛んだ。
カラになったドリンクのカゴを指定場所に片付けて、立海のコートへ向かう。
「…先輩、お疲れさまです。」
「あー…？あー…A…」
ベンチには半ばぼーっとしたままの赤也先輩が座っていた。コートには他の先輩達がいる。俺が失礼しますと言って隣に座ると、赤也先輩がため息を着きながら体重を預けてきた。
「あーあ…先輩帰ってこねーしAも帰ってこねーから全然やる気起きなかったぜ今日の練習はー…」
「他の先輩達も同じみたいですね…巻き込んじゃってすみません…」
「お前が悪いんじゃないだろ」
俯くとがしがしと頭を撫でられた。その乱暴な仕草に頭がぐわんぐわんとなったと思ったら、ポッケから振動が。
「っきました！」
「まじか！おい見せろ！」
先輩と携帯をのぞき込むと、そこには杏ちゃんから「どうだ！」と言うメッセージと共に音声メモが。
慌ててイヤホンを付けて、「俺も！」と言った赤也先輩に片方を渡し、それを再生すると、
「…比嘉中の奴らなんて、このまま帰っちゃえばいい！！」
天海さんの声だ。
「…本当に意味がわかんない。なんであんなことしたの！」
杏ちゃんの声も聞こえる。
その音声メモには、天海さんが倉庫を出ていくまでの杏ちゃんと天海さんの言い争いが録音されていたのだ。
「これって……」
「やったなA使えるだろこれは！！」
呆気に取られる俺に肩を組んできた赤也先輩。
俺に揺さぶられながら、ほかの先輩が駆け寄ってくるのを見ながら、俺は何度もその音声を繰り返し聞いた。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年4月30日 0時) (
レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです！ (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます！ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…！お気に召して貰えたならなによりです！ (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです！家族設定面白い！ありがとうございました！ (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます！訂正しました！ (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木こりのコロポ | 作成日時：2018年4月14日 8時
