八犬伝 幻灯火に助けられし者

帰郷 ページ13

小文吾の話…

だから現八は泣いていたんだ
婚約者が死んでいたら、悲しいはずがないもん
大切な人が自分がいない間に…


あと


死ねない身体………

A「願いは……強く願えば、それは必ず叶う。小文吾と現八は必死に大事な人に会いたいと、生きたいと願ったから…」

あれ？
あっ！この言葉……

A「ごめんね？僕は現八のとこ、戻るよ」

急いであの場を離れた

信乃の視線が僕に釘付けだった

最近僕おかしいな


A「現八？」

現八「Aか…お前もただの人ではないだろう？」

A「うん、僕も一度死んでるよ？現八と同じ、幻が僕を生かしたんだ」

右肩にいる幻の頭を軽く撫でる

現八「そいつか、それは仮の姿だろう？」

幻が肩から飛び降りると中庭へでた

幻灯火「これが本来の姿だ、雷鬼」

現八「犬神よりはちいさいか？それにしても、九つの尻尾か」

A「綺麗だよねー！……………現八と小文吾が雷鬼と風鬼に助けられた代償は死ねない身体、信乃は成長しない身体、荘は半分の魂。そして、これらの共通点名字に犬がつくこと、牡丹の花のような痣があること」

現八の右ほほの痣に触れる

A「そして…文字の入った丸い玉。現八も小文吾も持ってるでしょ？」

なんで。こんなに僕は知ってるの？
いつ知ったの？

現八「なんでそれを？」

わからない
僕のことなのに、僕はどうしたんだろう？

目の前が暗くなっていく

現八「A！！！？」









暗いところ

光がない

ここはどこだろう？

いつでもどこかに光はあるのに


蒼、まだ？
早く私の所に戻ってきてよ！
姫なんてどうでもいいでしょ？




あれ？暖かい光

「大丈夫？」

鈴のような声

A「貴女はいつも私に何かを伝えようとする黒巫女。今日は話せるんだ！」

「？覚えていないの？？貴女は今日で１６よ？」

うそ？いつのまにそんなに経ってたの？

「私(わたくし)は玉依姫、貴女も玉依姫よ？」

A「玉依姫？」


玉依姫「私の記憶をみて？」




八犬士の生まれ変わりが全員揃ったことが昔にも一度だけあったの

けれど、伏姫は現れなかったわ

何故か

それは更なる災いがあったから

村雨の片割れを知っている？

村殺といったの

その名のとおり人を殺していったわ

それを見た八犬士は村殺を止めようとしたの

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