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黙って私を抱きしめる龍友くんと
黙って龍友くんに抱き締められる私



を引き離すかのように着信音が鳴る




『龍友くん、ごめんね?』



そう言って龍友くんの腕の中から抜け出し
ケータイに表示されている名前を確認する



着信
"片寄 涼太"



涼太くんには悪いけど
あとで掛け直そう



そう思ってまだ震えているケータイを置いた


私がケータイを見ている間に
玄関で靴を履いている龍友くんのもとへ駆け寄る




『龍友くん』


「電話よかったの?」


後で掛け直すから

そう言った私に

そっかごめんなって苦笑いする龍友くん



「また、誘ってもいい?」


『もちろん!!今日はありがとうございました、ごちそうさま』



2人でふふって笑うと龍友くんはクマのついた鍵を手に隣の部屋に入っていった



龍友くんの部屋のドアが閉まるのを見届けると私もドアを閉め


玄関にしゃがみ込んだ



まだかすかに残る龍友くんの香りが
私にさっき抱きしめられた時のことを思い出させる



匂いには記憶が残る



私は龍友くんへの感情をかき消すかのようにシャワーを浴びた

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作者名: | 作成日時:2017年8月30日 0時

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