永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ34)

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「はすみんの浴衣姿めっちゃかわいー！」

「やっぱ来て正解じゃね？」

あ「は、はすみん…？」

いきなり聞き慣れない呼び名に

戸惑いが隠せず、

「苗字が蓮見でしょ？

だからそこに可愛らしく"みん"を付けて

はすみん。俺達が考えたオリジナルネーム！」

あ「は…はぁ…」

口角をピクピクさせて思い切り口元が引き攣る。

ネーミングセンスの無さよ…。

「そんなことよりさ！

この後一緒に写真撮らない！？」

廉「おい、やめろて。

蓮見さんも忙しいんやから。な？」

あ「あ…うん…まぁ」

これ以上絡まれたら面倒くさくなりそうで、

「それではごゆっくりどうぞ」と一声掛けて

持ち場に戻ろうとした。

廉「それにしてもやっぱ接客慣れしとるな」

…ん？

おやおや？

永瀬くん…？

「やっぱってなに？」

「なになに〜どういうこと〜！」

あ「なっ、何言ってんの永瀬くん。

そんなことないよ？あははっ

きゅ、急に変なこと言い出すのやめてよ〜ははっ」

わざとらしい皮肉を含んだ発言に

躊躇う私を見て

ニタァと口角を上げ、満足気な顔。

イラッとした。

相変わらず性格極悪のようで。

周囲に気付かれないよう、笑顔は崩さず、

廉「い"っったっ！！！」

見えないテーブル下でイラッとした気持ちを

足に全集中させ、ダンッ！と思い切り

足を踏みつけてやった。

「廉？どうした？」

「どっかぶつけたか？」

「大丈夫かよ」

あ「それでは今すぐパンケーキと

飲み物お持ちしますね～」

痛がる彼を心配そうに声をかける友達と

私を思い切り睨む彼を横目に

ざまぁみろと言わんばかりの満面な笑みで

その場を離れた。

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