永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ30)

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廉「あ。つか、お前急がなバイトやばいんちゃう」

あ「へ…へ？」

そう言われてブレザーのポケットから

携帯を取り出し、画面に表示されてる時間を確認する。

あ「やっば！！」

廉「アホやな」

あ「うっさいっ。じゃーね！」

もう〜！

遅刻したらチーフに怒られちゃうじゃんっ。

スクバを持ち直してバイト先まで

走り出した。

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初めてだった。

いつも顔にただ貼り付けただけの笑顔じゃなく、

とても自然な笑顔だった。

男子とふざけ合ってる時と変わらない笑顔を

私に向けてた。

だからかな。

初めての出来事で、

心臓が大きく高揚して一瞬ドキドキしてしまった。

…嬉しいと思った私がいた。

少しは心を許してくれたのかなって。

期待してる自分がいたんだ。

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