永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ3)

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prince03 ページ3

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あ「あっ…いや、えっと…ごめんなさい。

別に盗み見しようとは…」

ドリンク補充しに来たら

たまたま出くわしちゃっただけで…

趣味で見てたわけじゃない。

廉「きみ、何年生？名前は？」

さっきの女の子同様、

ニコッと口角上げ、微笑みを浮かべて

優しく私に問いかけてきた。

あ「…1年2組、蓮見Aです…」

廉「隣のクラスなんやね。」

あ「あの…」

廉「ん？」

なんだか彼の笑顔に違和感を感じる。

今までだったら何も感じなかったのに。

なんだろう、ただ顔に貼り付けただけのような、

わざとらしい笑顔って言うのかな？

あ「さっき女の子からもらった手紙…

なんで破いたの…？」

多分後ろに回してるその手の中には

先程破いた手紙が握ってるはず。

廉「破いた？なんのこと？」

ニコリと微笑む表情は崩さず、

とぼけた返事が返ってきた。

あ「だって破いた音が…」

破いてるところまでは見えなかったから

本当に破いてたかは確証ない。

でも確かに紙を破くような音は聞こえたはずなんだけど…

廉「蓮見さんの気のせいちゃう？

人からもろた手紙を破くとか

そんな酷いことせんよ」

私の気のせい…？

そう言われると

自分の聞き間違いの可能性あるかも…

急に自信がなくなって

返す言葉がなくなってしまった。

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キーンコーンカーンコーン＿＿

頭の中が少し混乱して考え込んでたら

部活終わりを知らせる予鈴が鳴った。

あ「は…っ！やっば！」

こんなことしてる場合じゃなかった。

部員のドリンク補充のためにここへ来たことを

ふと思い出した。

廉「ほな、俺もう行くな」

あ「あ、ごめんねっ。

さっきのは私の勘違いだったかも」

一応永瀬くんには謝りを入れて

急いでボトルに水を汲み始める。

廉「ええよ。

マネージャーの仕事頑張って」

あ「ありがとう」

そう言って最後にまた笑顔を浮かべて

永瀬くんは自分の部活動へ戻って行った。

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