第四十九話 内の内 ページ4
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ベッドに横たわった、彼女をぼうっと眺める。時折からかうようにシャオロンさんが何かを言うものの、反論する意思はなくて、乾いた笑いを出した。
いつ、目覚めるだろうか。重たい瞼を擦り、彼女をまた見る。しんぺいさんがそろそろ休みなよと言ってくるが、大丈夫ですと返した。
「…ふー…。」
時刻は零時を回っていた。薄く電気はつけてもらっているが、しんぺいさんはとっくに寝に行ってしまった。
俺だけでも、傍におってやらんと。そう思うと、居ても立っても居られなくて。この腹の底で蠢く何かは、きっと理由があるはずなんだと。
「……。」
顔を紅潮させ、辛そうに小さい喘鳴を上げる彼女に目を伏せる。その辛さを、俺が肩代わり出来たらいいのにと、つくづくそう思う。
『……ぅ、』
さっきからずっと、小さく唸るばかりだ。魘されているんだろう。夢の中だけでも幸せでいたいと、そう思うだろうに。
『ぃ…か、な…』
「………。」
ああ、彼女はなんて…。
久しぶりに触れた、彼女の手は冷たかった。安心させるように包む。
「…大丈夫です。私は、ここにいますから。」
もしかしたら、この腹の底にあるものは独占欲なのかもしれない。護ってあげないと、助けてあげないとという庇護欲の内の内にある、黒い感情。
彼女がこういった状況だからこそ、そう感じたのかもしれないが。内心苦笑する。
でも、ゾムさんが言っていた。Aさんは、誰かが見てあげないといつかころっと死んでしまうと。おっちょこちょいで危なっかしい人とかではなく、自分の意思で、だと私はそう思う。
Aさんがゾムさんに何を言ったかは知らない。ゾムさんもAさんに何を言ったのか知らない。けれど、Aさんの感情をゾムさんは引き出したんだ。それで激昂した。
熱の理由は分からないが、きっとそれ関係かなとそう思う。何かを考え込んだら、熱を出すってよく言うし。
でも、ひとつ分かることがある。
Aさんは、腹の底に何かを抱えている。言葉にすら出せない感情なのだろうけれど、きっとそれは重くて暗い。
病的なほど白い手を撫でる。私の手と変わらないほど、白かった。
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五角形レンガ - すっげぇ、、、いや、感動でしかないです、凄すぎませんか！？ (8月12日 10時) (
レス) @page29 id: 142fcb5a32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 神作品、、、ッッッッ (2022年12月19日 12時) (レス) @page29 id: 9753754a57 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 鴉さん» お！！そうですそうです！！！！いやあ知ってる人いた………！！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - 作者様！！！！59話の夢主さんが言っている小説ってメディウムですよね！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: cdf302c4aa (このIDを非表示/違反報告)
GuriGura(プロフ) - う‘‘ぁ‘‘ッ、、、、、、、、、さ‘‘い‘‘こ‘‘う‘‘ッ‘‘、、、、、、、、、 (2022年9月25日 8時) (レス) @page29 id: b9eb3e9d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年9月8日 23時
