第六十四話 懐疑 ページ19
＿
秒針が鳴る。治療中と赤く光ったランプが、ふっと光を無くすのと同時に、しんぺい神が中から出てきた。
『…どうだったの？』
「ふー、まぁ待ってや。手袋だけは剥がさせて。」
手先にかけて真っ赤になったそれを外し、ポッケへと突っ込む彼。
「端的に言うと、当たり。小さいものだけど、兵士と子供、どっちにも同じのが入ってた。
しかも多分、埋め込まれてるんだね。喉から飲み込んだとかじゃなくて、きっと幼少の頃に検査かなんか適当言って埋め込んだんだと思うよ。」
『なるほどね…。グルッペンにはもう？』
「伝わってるで。あぁ、あと、A連れて来いってグルッペンが。」
直接言えばいいのにと首を傾げると、言えへん理由があるんやろと彼はそう言う。
言えない理由、ね。
『…とりあえず、分かったわ。向かうと伝えといてくれる？』
「うん、分かったで。」
ニコリと、しんぺい神は笑った。
＿
「捕らえていたE国の兵士が失踪した。」
『…なんですって？』
ロボロの監視はと聞くとその時は鬱先生と交代だったらしく、ロボロは自室で仮眠、鬱先生は下町で女と居たらしい。随分おめでたいなと思いながらも、逃走経路は分かるの？と聞く。
「…何故、逃げたと思うんだ？」
『逆になぜ逃げないと思ったの？ましてや地下牢の男など誰も微塵も興味無いでしょう。私は逃げたと思うわ。E国がどんなことに長けてるかは詳しくはないけど、あんな地下牢の鍵ぐらいなら適当な棒でもピッキングできるわよ。』
「………。」
『…何を思ってその目をしてるかは分からないけど、まあいいわ。
私が見つけてくる。それで殺せばいいんでしょう？そっちの方が簡単だと思うけど。』
ああ、嫌だ。
大っ嫌いなその瞳。
「…分かった。では、男の殺害を命じる。
逃走経路は…そうだな、ロボロが伝えてくれるだろう。」
『分かったわ。』
ぱたん、と総統室の扉を閉める。
「トン氏、＿＿＿」
「ああ、せやな＿＿」
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五角形レンガ - すっげぇ、、、いや、感動でしかないです、凄すぎませんか！？ (8月12日 10時) (
レス) @page29 id: 142fcb5a32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 神作品、、、ッッッッ (2022年12月19日 12時) (レス) @page29 id: 9753754a57 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 鴉さん» お！！そうですそうです！！！！いやあ知ってる人いた………！！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - 作者様！！！！59話の夢主さんが言っている小説ってメディウムですよね！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: cdf302c4aa (このIDを非表示/違反報告)
GuriGura(プロフ) - う‘‘ぁ‘‘ッ、、、、、、、、、さ‘‘い‘‘こ‘‘う‘‘ッ‘‘、、、、、、、、、 (2022年9月25日 8時) (レス) @page29 id: b9eb3e9d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年9月8日 23時
