後遺症 ページ37
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『おーいガキんちょ、手当するからこっち来い。フリスクもな。』
そう言うとギクリと肩を震わせるフリスク。フリスクは既に机に並べられたハンバーグを見て涎を垂らしており、俺の言葉にびっくりしたのか、それとも傷を誤魔化そうとしたのかブリキのようにギギギとこちらを向いた。
「…しなきゃダメ?」
『ダメだ。悪化して歩けなくなったら嫌だろ?』
「嫌…だけど、でもそんな歩けなくなるほど酷くないもん。」
『………。』
確かに、それほどの傷ではない。そんなことは自分でも分かっている。
それでも、心配になる。
地上では空気中に有害物質が紛れ込み、地面だなんて肉片ばかり転がっていた。戦争中なんて、かすり傷で周りの人間は倒れ死んでいった。
いつ、死んでもおかしくないんだ。特にこの世界は。
『…、念の為だ。手当して悪いことなんてないだろ?』
「…消毒痛いもん。」
ガキか、と心の内でそう思いながらも傷口に消毒液をかける。ぴくりとフリスクは足を震わせたが、すぐに大人しくなった。
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あの後食卓を囲みご飯を食べ始めるも焦げているやつをキッドはぺろりと平らげてしまい、大丈夫かと聞くが大丈夫だったらしい。しかし俺の飯がなくなってしまった。キッドがオレのせいか…?と聞いてくるが違うと言って頭を撫でてやった。
また来るぜ!と帰っていったキッド。送ってやっても良かったが、別に大丈夫らしい。
『あー、パピルス。風呂に入りたいんだが替えの服とかって持ってるか…?』
「オレさまの服かッ!?いいぞ!取っておきの服を貸してやるッ!!」
駆け足で階段を駆け上がり、部屋へ入っていく。パピルスの部屋から何やら激しい物音が聞こえてきてあいつ落ち着きねえな、と心の中で呟いた。
「どうぞーッ!」
『ありが…、』
手渡されたのは"COOL DUDE"と書かれたTシャツと短パン。Tシャツに関してはランニングで、短パンも物凄く子供らしい。
『………、あー、すまんがもうちょっとマシなのないか?』
「えーッ!これすごくお気に入りなんだよッ!似合うから1度来てみろ!」
『………。』
マジか、と思いながら綺麗に畳まれたそれを開き自分の体へと当てる。明らか丈が足りていなく、腹が丸見えになる。
『…もっとこう、長袖長ズボンだと助かる。』
「うー、分かったッ!探してくる!」
そういいまた先程のように激しい物音が聞こえてくる。忙しないなアイツ。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - お騒がせしました、作品シリーズ一覧から飛びますと下書きページに飛んでしまうのでしっかりと下から飛んでくださいな皆様(* 'ᵕ' ) (2021年10月30日 8時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 真面目な話、割とバグらせちゃったから下のこの小説の続編を見るは押さないでね!バグって(自分の頭が)下書き&パスワードつけたまんまで忘れちゃった☆ URL貼っておくのでそちらから飛んでください…!お手数かけます!!アホ抜かしてすいませんしたぁ!!!!!! (2021年10月30日 0時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - アッアッアッ無理ッッ好きッッッ (2021年10月29日 23時) (レス) @page50 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
さき - いやぁ・・・!なんか、もうっ、すごいです!応援してます! (2021年10月29日 22時) (レス) @page50 id: d336e73bb4 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» ありがとう、好ッッッ……(((( (2021年10月28日 6時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胃酸先生。 | 作成日時:2021年9月29日 16時