第四十四話 交わる場所 ページ46
教会は、相変わらずの場所だった。特別好きな空間ではないが、何となく気持ちを落ち着けられるから。
「…来ていらっしゃったのですね、A。」
『…、ええ、そうね。』
オスマンは私にオスマン"枢機卿"として話しかける。今ここでは彼は枢機卿へと成り代わる。
彼は相変わらずの表情だった。
『…落ち着く場所ね、ここは。』
「…ここは教会ですから。神の一部です。神と向き合い、祈り、交わる場所。」
そうと返事をする。神か。この世に神がいるとするのなら、なんて理不尽な神なのだとそう思う。
『…少し、外の空気吸ってくるわ。』
「……ええ、分かりました。」
気味の悪い笑顔を向けられたまま、私は外へと出た。綺麗な庭へと出る。花壇には綺麗に花が咲いて、近くには大きめの木製のブランコがある。
そこへと腰掛けると、小さく軋んだ。
『…はぁ。』
「あら、あなたがため息を吐くなんて珍しい。」
後ろから、そう話しかけられる。ハキハキとした、女性の声。それと同時に、かしゃんと金属どうしが擦れた音がした。
『珍しいのはあなたが私に話しかけてくることじゃないかしら？』
オプロイテ。今まではオスマンの一歩後ろにいるイメージで、私には話しかけてくることは無かった。それと同時に私への嫌悪も感じていただろうが。
「色々気になったことがあってね。この所教会ばかりにいたから、軍のことを全く知らないのよ。」
『そう。世間話なら私は向いてないわよ。オスマンからでも聞けば？』
「会話は躱されるばかりで、あんまり話をしたがらないの。」
へえ、あのオスマンがと内心思う。お喋りも甘いものも大好きな彼が、会話を拒むとは。彼女がそう言うのなら、あの女が首を飛ばされたことも知らないのだろうか？…いや、さすがに知っているか。
「そういえば、久しぶりにここに来たわよね。どういう風の吹き回し？」
『たまたま教会の鐘の音がしてね。外に出ていて暇だったからふらっと寄ったのよ。』
「そうなの。教会は好き？先程、枢機卿に落ち着くと言っていたけれど。」
どんな地獄耳なんだ。結構ボソボソにも近かったけれど、驚きだな。彼女とはあまり話してこなかったからかもしれないが。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
