第四十三話 私は、まだ ページ45
(you side)
ああ。
胃が痛くてならない。本当に。
私が大丈夫だと言っているのに、彼らは必要以上に構ってくる。書類を運んでいたら半分以上は持っていかれるし、小さな段差でも気をつけろだとか、書類の数もぺらっぺらだし。
気を使ってもらう分には嫌では無いのだが、こういうのはまるで嫌だ。気分が悪い。
『…ああ、もう。』
思わず頭を抱える。向かいに座っているアホ三銃士は顔を青くし、トントンは目の下に真っ黒な隈を飼っている。
「なーシャオロン俺飽きたあ」
「最初から飽きてるやんそれ。なんでグルッぺンは外出してんのに俺らはあかんのん？」
「あれも許可取っとらんやろがどつくぞ」
「サーセン」
つまらないだの分からないだの、うだうだ言うくせに私には言わないんだもの。その分関わらずにいれるのだからいいけれど、気を使われているのもなんとなく癪で。
嘆息する。
私は、まだやれる。そう思うのはかつての近接部隊の軍人と同じだからかしら。
『…はあ。はい、提出する分。
少し下町に下りてくるわ。』
「えー、Aずるーい。」
鼻の下にペンを挟み、ゾムはそう言う。
行きたいのならさっさとそれを終わらすことねと言い残し、書記長室を出る。
無理を言って仕事をさせてもらったけど、大した量じゃなかったな。
＿
点滴も抜かれて。臙脂のストレートパンツに黒のブラウスを着る。
こういう格好をするとあまり良いことは聞かないが、そんなものに合わせる意味も意義もない。
国の姫としてだの、女性としてだの、馬鹿馬鹿しい。私は一言もこの国の姫だと名乗ったことは無い。1度もだ。酒の勢いでも、そんなことを口走った覚えはない。
『……！』
ふと、金の音が耳に入る。教会の鐘の音。いつも通り、3時の時間と丁度に鳴る。カラーンと、いい音だった。
教会。以前はよくオスマンに会いに行っていた場所だったたけれど、最近はもうあんまりだ。
まぁ元々、宗教的なものは信じていなかったからいいのだけれど。
久しぶりに、足を運んでみようかしら。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
