第四十一話 狂信 ページ43
「……俺は」
喉も限界かな。潰れかけた喉でそんなに話していたら、そりゃ声だって掠れる。牢屋の前に、水を含んだコップを置いた。
『しっかり意見を聞きたいの。飲みなさい。』
「………。」
『今あなたはこちらに命を握られているのよ。あなたの意志など関係ないわ。』
そう言うと、かれは檻の前まで来て、すっとコップを受け取る。ごくり、ごくりと飲む音が聞こえた。それほど喉が渇いていたんだろうと、そう思う。
「…俺は、E国を信じている。」
『だから、今は亡き国よ？存在していないものを、あなたは信じるって言うの？』
「……あそこは、俺の全てだったから」
彼の赤色の瞳がぐらぐらと揺れている気がした。
＿"ち、違うよっ、トントン！も、もしかしたら、思い違いなだけかもしれないし…っ、平気だよ！私…Aさんを信じたいもの…。"
『あなたの
「……っ」
息を呑む音が、響いた。
『私は、正直あの国はイカれてると思うわ。同時にそれを狂信するあなたも。
上に言われて来たわ。自己紹介が遅れたわね、A・S・クロウ。自由になんとでも呼びなさい。』
「……クロウ…。」
『まあ、正直いってあなたのことはどうでもいいから。私がこう言ったところで変わらないところだってあるはずだし。確執を生むか生まないかは、あなた次第ね。』
男は、黙っていた。
「……お前は、カラスのような女だ。」
『あら、お生憎様、あなたもそう見えるわよ。』
蛍光灯の光は、しっかりと彼の髪を映している。真っ黒な、艶の入った髪。今の私とは正反対な、トントンのような色。
『さようなら、また会えたらお話しましょうね。』
「……。」
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
