第二十八話 蒸発？ ページ30
(no side)
緑のフードの男は、赤い髪の女を探し回っていた。
パーティーも終わり、片付けとなっているにも関わらず、姿が見えない。赤と黒のストライプを着た彼は冗談を言うものの、そんな簡単なものじゃないと、静かに男は胸騒ぎを覚えた。
体調を崩し、もしかしたら部屋にいるのかもしれないと儚い希望を抱きながらも部屋へと向かうが、もぬけの殻。月明かりで、部屋が照らされる。机の上に、紙が1枚置かれていた。
丁寧な時で、確かにこう書かれていた。
＿私はW国を出ていき、E国の幹部となります、と。彼女らしいようで違うような、淡々とした字だった。
嘘やろと、男は息を吐くように呟く。ぐしゃりと紙を握りしめ、部屋を飛び出した。全速力で、走り抜ける。スレスレで女中や兵士とぶつかりそうなものを避ける。悲鳴が上がるのも、気にしなかった。
荒々しく、食堂の扉を開ける。総統はいつもとは違う雰囲気の彼を見てどうしたと顔を顰めた。くしゃくしゃになった置き手紙を、緑のフードの男は彼に渡す。文面に目を通した彼は、即座に天の男に指示を出した。
＿各兵に伝えろ。明日の明朝、E国に進撃するぞ、と。
赤い髪の女は、薄暗い中目を開けた。冷たい灰色が広がる牢屋。檻の向こうには、軍服を身にまとった男が立っていた。見覚えのある色の腕章を付けている。
男はそれをビリビリに破いた。失敗したものを破り捨てるように、簡単に。
それはW国への侮辱と看做すわよと、女はそう口を開いた。
赤色の破れた布が、はらはらと床へと散る。
明日の朝頃にはW国は来るだろうと、男はそう言った。女は鋭く男を睨む。
何が望みなのと、男に問う。
男は言った。ただ一つ、W国の平伏だ、と。
女の内心では殺意が芽生えていた。
ぶっ殺す、と。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
