第二十一話 烏 ページ23
「………。」
『さあ、分かったなら退きなさい。食の場をしょうもないことで荒らさないで。』
「そ、そんな…！俺達にとってここは、我が家と同類なのですよ…！？！そんな、しょうもないだなんて、あんまりです…！！」
ああ。もう、めんどくさい。さっさと戻りたいのに。あわよくば、チーズケーキでも貰って、部屋で読書しながら食べようと思っていたのに。尽く、だな。
『そう。私はあなた達のことを家族だとも仲間だとも思ったことはないわ。』
私の背に向かって、反吐を吐いた人達は誰だった？妄言を吐き散らし、しまいには暴行まで及んだ人間は誰だった？
あなた達軍人だ。
あいつはまるで烏のような女だと、そういったのは彼らだ。
勘違いも甚だしい。
『私の背に指をさして、烏だのなんだの言った人達は誰だったかしら？随分都合がいいのね、あなた達。
それとも何、私がそんなことされても笑顔で許すような優しい女だと思った？残念ね、黒くて長い髪もこうやって赤く染めて切って、それと同時に優しさも捨てた。』
「……っ」
息を呑む音が聞こえた。厨房にいるシェフ達が、こっそりとこちらの様子を伺っているようだ。
『でも良かった。あなた達が私に勝手に烏と名付けてくれて。
烏は人の顔を覚えるのよ。されたことは、忘れないの。』
「＿…っひ、」
勝手に自分の首を絞めるだなんて、無様ね。
『さっきまで同情していたけど、なんだか気分が変わったわ。
…あなた達に理由のある価値は無い。それは決して覆らない事実よ。失せなさい、この軍から。』
冷たい声が、辺りに響く。シャオロンとコネシマもぽかんとしており、話を聞いてたシェフも左に同じだった。さあ、大人しくなった事だしチーズケーキ頼んでさっさと戻ろう。書類だって片付け終わってないし、インクは出過ぎでやり直しだし。
シェフに注文を頼むと、青い顔をして分かりましたと、奥へと行ってしまった。
「ユ、ユリカ様じゃなくて…、おっ、お前みたいなのが死ねばよかったのに…！！」
誰かがそう、憎しみを込めてそう声を上げた。
どよめきが広がる。誰が言った、誰だ、と。
ああ、本当にくだらない。
『なら、殺してみれば？その度胸があるのかは知らないけれど。』
カツカツと、ヒールの高い音が響く。元軍人をかき分け、その声を上げた人の前に立つ。
さすがに、頭に来た。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
