第二十話 代替のきく ページ22
重い足取りを、食堂へと赴かせる。
ああは思ったものの、その騒動を落ち着かせないと、パーティーどころの話じゃなくなるだろうし。
大体、なんで私なのかって話なのだけれど。面倒事を押し付けたいだけかしら。
がちゃっと両開きの扉を開くと、大勢に言い寄られているシャオロンとコネシマが居た。扉が開く音を聞いて、こちらを見る。
「あ！A！」
「ちょ、ちょっと来てくれへんか…！！」
ため息をつき、彼らの方へと近づく。今まで騒いでいた軍人達が、しんと静かになる。
…ああ、そういうこと。
「じ、実はな…？」
『黙らせるためだけに呼ばないでくれるかしら。
あなた達が勝手に彼らの首を切ったせいで、書類が回ってくるのだけれど。』
事情はメイドから聞いているし、そこは別に端折られていい。
正直、私は彼らの方に納得がいかないけれど、お気持ちパーティーの為に軍人達には大人しくしてもらおう。
『…はあ。
あなた達、首を切られた理由は分かって？』
「い、いえ！私達は、まったく…。」
『そう。
端的に言うなら、部品だからよ。この国を回し、守る部品でしかないから。』
は？と言わんばかりに、彼らが困惑の面をする。彼らの中の誰かが、俺達をなんだと思っているんだ！と声を上げる。
『言っているじゃない、部品だと。
あなた達も、古くなったものはいらないと捨てるでしょう？大切な親の形見のようなものでは無い限り、ポイッとね。それと同じよ。』
別に彼らにとって、部下は特別大切なものじゃない。だからこうやって切り捨てるのだ、必要ないものだと。そして新しい部品に取替える。よく動いて、前任者より優秀な。
『別に私はどうでもいいの。部品だろうとなんだろうと、私はここの部隊の人間ではないのだし。
軍の人間なら真面目にしてれば金はあるでしょう。それで下町で身を固めればいいわ。パン屋でも八百屋でも、何でもすればいい。
それが出来ないなら、国の恥にならないよう元軍人らしくどこかで自害しなさい。』
彼らがしんとする。
『それとも、老いぼれが戦場に立って無駄死にでもしたい？』
正直言って、三十路もとっくにすぎた人達が下町に行って何か出来るかと言ったら、どこかの料理店の雑用か、その辺だろうが。そこで俺は軍人だったんだぜ、なんて威張ってたら身も蓋もないけれど。
まあ、そんなこと言っていたら、本当に戦争になった時に敵国に爆弾抱えて突っ込んでもらうしか無くなるし、今は考えなくていいか。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
