二日目、支配者。 ページ9
カランカランと、裏路地のとある扉は開かれた。
Aは奥の方に呼びかけると、聞き覚えのある声がはーいと返ってくる。
「あら、A。おはよう。」
見慣れた金髪の髪は結られ、どこか中華を連想させる服を着た、ゆかり。
元々はとある教授の元で学生をしていたらしいが、ある日を境に教授はいなくなったのだとか。
それで裏の世界に行ってしまうとは身も蓋もないが。
「今日はどんなご要件ですか？A。」
ゆかりはカウンターに堂々と座り、堂々と職務をさぼり、ましてや堂々と居眠りするという者である。そりゃあレールを敷いてくれる人がいなけりゃこうなってしまうのも当たり前だなとAは内心苦笑した。
「今日は表向きの仕事だ。服の見立て。細身の一般的な男性が着れるような服を探してくれ。」
「あら、旦那様でも出来たのかしら？」
そんなプライベートにズカズカと土足で入ってくるのも、勿論この女。
「馬鹿言え。いいから探せ。」
「んもう、人使いが荒いんだから。」
そうね〜と、並べられた服を1着1着見ては違うわねと呟きを漏らしながらゆかりは服を見ていく。
その姿をぼうっと見ながら、Aは思考に耽っていた。
かの王は死んだ。頭は切れるほうであったろうが、幾分無能で。死んでよかったのだと私も、きっと母も、そう思っているだろう。
「…
「ん〜？何か言った？」
「…ああ、いや。こっちの話だ。」
そう？とゆかりが返し、ふんふーんと鼻歌交じりに楽しそうに服を選んでいる。
W国総統、グルッぺン・フューラー。
大嫌いな肩書きだ。フューラー。その名を聞くだけで虫唾が走る。
脳裏に焼き付いたあの言葉すら、かき消してくれない記憶。
＿
クソッタレ。
「はい！どう？」
「！…あ、あ…いいんじゃないか？」
少しばかりぼうっとしすぎたようだ。差し出された服を見て、咄嗟に出た言葉がそれしか無かった。
微妙な反応ねとゆかりが笑う。そんなんじゃないよとAは首を振り、服を受け取った。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
