一日目、衣食住。 ページ4
「まずは風呂。その後に治療と、飯。いいな？」
驚いたように、グルッぺンの双眸は揺れ動く。
その様子になんだかおかしくなり、Aは笑う。
あのボンボンがここまでしおらしいのも中々だな。あそこは大層なことをやっていたみたいだ。Aが微笑む。
「あと、発言を許す。喋らんのも不便だろ。
A。A・セレクターリ。私の名だ。」
覚えてくようにと言ったものの、グルッぺンは既にフラフラで。ろくに寝てもいないのだろうと思ったが、そのまま寝かす訳にもいかない。Aはグルッぺンの肩を組み風呂場まで連れていく。
浴槽の縁に座らせ頭から冷水をかけると、「ぎゃっ」と声を漏らして目を覚ました。驚いた衝撃か、沸かしておいた風呂に落ちる。
「その服は捨てておけ。傷口を綺麗に洗うように。」
新しくは無いが、大きいサイズのものは確かあったはずだ。無ければ肌着の上にローブでも巻いておけばいい。Aはもんもんと考えながら廊下へと出た。
やけに大きい屋敷。誰も住んではいないが、たまに近所のガキがお化け屋敷だの肝試しだのなんだの言って来やがるから油断はならなかった。
使われていないせいもあって老朽化の酷い所の方が数え切れないほどある。壁に体当たりでもすれば天井が落ちてくるんじゃないかという程に。
Aは穴が空いた天井を見上げながら、自身の部屋へと入る。
本当は老朽化が酷かった場所だったが、入口から最も遠く、尚且つ広いということからAは1から直そうと決めた部屋だった。穴の空いた四方を直し、家具の全てを取り換えた。唯一ここの部屋と風呂場や食堂といった場所は綺麗にしたものの、他は酷いままで。
生憎金には困っていない。Aはタンスを開くと、大きめのワンピースとローブを取りだした。
グルッぺンは男である上総統でもある為プライドと抵抗があるだろうが、Aは知ったこっちゃないと脱衣所への道を戻る。
風呂場からは水の音が聞こえる。ドアの前で服は置いておくぞと言うと、分かりましたと返事が返ってきた。
ああ、あとついでに救急箱も持ってくれば良かった。忘れていたな、とAは身を翻した。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
