三日目、復讐。 ページ21
施錠されていた扉は、古いせいか蹴るとすぐに開いた。倒れた扉の向こうは、埃っぽいものの人が立ち入ったような形跡がある。なんというか。掃除された後というか、踏み歩かれて埃がないというか。
「…たまげたな。こんな趣のあるところに人がおるとは。」
鬱の後ろで、金豚きょーは驚いたように頭を掻いた。
奥へ進む度に、床が軋む。穴は所々空いているようだが、歩けないほどではない。気をつけないと嵌ってしまいそうだが。
「ここは…食堂ですかね？」
綺麗にされたそこの部屋は広々としていて。奥にはキッチンで色々包丁などの調理器具が揃えられている。明らか、ほかとは違った人のいた形跡。
「…露骨すぎて逆に怪しいな…。」
「不法占拠どころの話やないやろな。改築までされてるし、大体が新しいのに替えられとる。」
オーブントースターを開けてみると、いい匂いが鼻をくすぐった。
…さっきまで、ここにいた？
「おいチーノ、まだ匂い残っとる。」
「え？…ほんまや。」
「つーこっちゃ、まだおるってことやんな。多分向こうもこちらの侵入に気がついとるやろうし、早めに見つけんとやばいんとちゃいますか…？」
急いで食堂を出て、色んな部屋を開けていくもどこもがらんとしていて。唯一生活感のあった部屋は、金豚きょーが捜索することになった。
綺麗に整えられたベッド、天井や床、壁には一切穴がなく、窓も替えられている。机も高級感があって、引き出しには鍵が掛かっていた。机の上にはビニル袋が置かれ、中にリンゴや他の果物が入っていた。お金も入っているから、購入したものだろう。
本棚にもずらりと本が並んでいたが特に目立つものはなく。机を手当たり次第に引くと、開くところがあった。一枚の写真と、便箋が入っている。
「…家族写真か？」
気味の悪いことに、中央に映る少女以外の人の顔は破られていて見れない。顔だけでも特徴があればよかったのだが、そのW国の総統を買った人が少女とはありえないだろうし。金豚きょーは便箋の中身を見た。
明日、そちらへ総統を送り返す。嘘だと思うのなら思っておけばいい。
少しばかり小細工をしてある。下手な真似をした場合、総統の命はないと思え。
これは復讐だ、W国。そして総統、グルッぺン・フューラーへの、罰。
丁寧な文字で、そう綴られていた。鬱から聞いた情報だと、前に届いたのはめちゃくちゃな文字だったとかって。それすらも作っていたのかと、便箋を乱雑にポケットに突っ込み、2人を追った。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
