三日目、覚悟。 ページ17
「そう、か…。私がやるまでもなかったか。」
目の前にはゆかりが、楽しそうに笑いカウンターに座っている。
「そうね。意外とW国の人達は怒りっぽいみたい。」
怖いわぁ、なんて言いながらもスキマに手をやりその悲惨さを見てはころころと笑うこいつも相当だがなとAは内心苦笑する。
「お前は…随分楽しそうだな。」
Aは出された紅茶を啜ると、訝しむようにゆかりを見た。そうかしらと首を傾げるも、ゆかりは上機嫌のようで。
「計画は順調かしら？」
「ああ…そうだな。」
未来設計は出来てるが、予想どうりになるかどうかだな。Aがそう言うと、ゆかりは少し眉を下げる。
「…残念だわ。あなたとはいい友達になれそうだったのに。」
「おや、まだ友人とは呼べなかったか。それは失敬、ゆかりさん？」
「…相変わらず、皮肉な人。」
おかしそうに、ゆかりは笑う。
「いつかは計画していたことだ。お前もそのザマを見るといい、私の予想ではきっと面白いものになる。」
「そうねぇ…気が向いたらにするわ。」
肩を竦め、ゆかりはコーヒーを飲み干した。彼女の淹れるコーヒーはなんというか、苦いより不味いというか。顔を顰めたゆかりは、二度と飲まないと言うようにカップを遠ざけた。
「今日は武器の調達をして欲しい。W国はA国にグルッぺン・フューラーが居なくてきっと大慌てだ。近くの国のここにだって調査に来るかもしれない。」
「ああ、じゃあ護身用？」
「一応人ひとり殺せる程度のものであれば。」
「やぁだ、物騒。」
慣れているだろうとAは返し、奥へと進むゆかりの後を追う。奥に行くにつれて段々と暗くなり、ゆかりが闇の中明かりをつけると共に、並べられた刃物がぎらりと光ったような気がした。
「一応職人さんに作ってもらってるから、切れ味はいいほうだと思うわ。」
「ああ、しろへび先生に作ってもらったのか。なら効果は絶大だ。…うむ、どれにしようか。」
護身用となれば小さいものの方が目立たずサッと取り出しやすいが。
あの人の作った刃物はメスだとかそういう系統が多くて、殺人の時もかなり助かってる。用法は間違ってるかもしれんが。
まあナイフっちゃナイフだし。しかたないよね。
「……あ。」
かちゃりと手に取った小型のナイフ。まさに手のひらサイズというもので、傍に置いてある鞘と合わせると、小さな箱にも見えんことは無かった。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
