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58話 ページ18

貴「『流れ星が運んできた小さな種は、この世界に幸福をもたらしました』……」

パタンと本を閉じて息を吐いた

予想通りのありきたりなおとぎ話

それはなぜだか私の心を強く引き付けた

それに


貴「懐かしいな、この花。私の世界のものとそっくり」

母の好きだったあの花


表紙に雫が落ちる


―――――――と


パサッ

何かの落ちる音

貴「手紙……?」

宛名は書いておらず、中も見えない

落とし物なら届けるべきだろうが、誰が落としたのかも分からない

やむを得ず封筒に手をかけた

無個性で端的な文字が綴られた一枚の紙

『拝啓 スカイ殿
前略

2年に渡る視察任務ご苦労だった

貴殿の活躍があり我々は情報を得る事が出来た

これからも我が隊の一員として一層潜入任務に励んでいただきたい』


差出人は無い

これがスカイ宛ての手紙だという事はわかったが、これの意味がわからない

潜入?任務?

だいぶ前の手紙だということも考えたが、紙はまだ新しい

つい最近送られてきたばかりだろう


彼女は―――――スパイ?


―――2年間にわたる任務

レイが失踪したのも2年前のはずだ

―――俺達に追っ手が…

追っ手が来る。それは情報を流している内通者がいるという事

―――情報を得る事が

情報を流していたのも、私達を見つけたのもスカイ

きっと、ここに来る事を予想して2年前からずっと待っていたのだろう


嘘だ

そんなのも私の被害妄想

そう言って否定を並べても、結局待っているのはそれが事実だという現実だけだった

貴「スカイちゃんが敵?」

レイとコウ、そして私達の……


『Aちゃん!』


貴「………っ!」

彼女の朗らかな笑顔が頭をかすめる

新しくできた友達

大切な仲間達

どちらかなんて選べない


それに彼女がスパイと確定した訳でも無いから

そう自分に言い聞かせる

棚に絵本を戻し、手紙をそっと懐にしまう


スカイの―――――大切な友達の無実を確かめるため、私は図書室を出た

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設定タグ:オリジナル , トリップ , 冒険   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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栗狐(プロフ) - フォローありがとー(*´-`*)ゞございましたです(*^-^*)いまからフォローしてきます(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» うわぁぁぁぁぁぁありがとうございます!!!!失礼ですがフォローさせていただきました!!!楽しみにしてます!!!!! (2018年7月16日 13時) (レス) id: f7209ee17f (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - 大丈夫ですよー(´▽`)気に入っていただけてよかったです!これからもちょこちょこ投稿するのでよろしくお願いいたします(っ´▽`)っ (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» 昨日疲れてそのまま寝てしまったので今見ました!!素晴らしすぎか……!?皆かっこよすぎですかもうありがとうございます!!!!!URLこっちに貼って大丈夫だったりしますでしょうか!? (2018年7月16日 13時) (レス) id: 00d128c491 (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - そのあとも制服姿等、学パロイラストも混ぜていきたいと思います!(*^-^*)よろしくお願いいたします(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 8時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹乃葉 | 作成日時:2016年3月26日 17時

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