日常の中の非日常

8話 ページ8

ーKyomoto Sideー




薬剤師さんの反応はいつもされているような反応だったから大して驚かなかったけど、その後の藤川先生の反応に驚いた。



薬剤師さんに注意をする時の冷たい声と鋭い目。
さっきまで話していた人と同一人物じゃないようで。

なんだかすごく藤川先生のことが気になる。





「あの、どうかしました？」





こっちを振り返った藤川先生は元の優しい雰囲気に戻っていた。
本当に同一人物？






京「あ、すみません。びっくりして。」







「そうですよね。本当に配慮が足りなかったと反省しています。今度からは年配の男性を指定しますので。」








そうじゃなくて。






京「藤川先生、コロコロ雰囲気が変わるので、びっくりして。」







「患者さんの前で出していい雰囲気じゃなかったですね。すみません。失礼しました。」







ーYour Sideー


私の態度でびっくりさせちゃってたのか。

それはすごく申し訳ないな。






京「あの、プライベートの連絡先教えてもらえませんか？」






、すごい真面目な顔で、今予想外のこと言わなかった？

私の耳が正常なら、プライベートの連絡先教えてもらえませんかって言った気がする。






「熱ないですよね？念の為測っておきましょうか。」






扁桃腺腫れると熱出やすかったりするもんな。
解熱剤も必要かな。






京「あ、ないです。すみません。なんか、俺。藤川先生のこと気になるみたいです。」






念の為、おでこで検温しておこう。

36.6たしかに熱はない。


ていうことは、京本さんは今正気？





「お酒とか飲みました？」






京「飲んでないです。あの、信じてください。正気ですから。」






正気なんだとしたら。





「それは、多分気の迷いですよ。おそらく、京本さんは私みたいなリアクションをする女性が珍しいだけだと思います。」







京「じゃあ、気の迷いかどうか確かめるためにも、連絡先交換して、これからも会ってくれませんか？」








ああ言えばこう言う。、結構めんどくさいタイプの人？







京「迷惑ですか？」






まあいっか。減るもんじゃないし。
この会話聞かれてる方がリスクになるし、さっさと連絡先渡して服薬指導しちゃおう。

どうせそんなに連絡来ないだろうし。






「いいですよ。lineのidも書いて後で渡します。」






京「ありがとうございます。」

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