日常の中の非日常

41話 ページ41

ーー
その後、パトリックさんは、Aさんとしばらく話した後帰って行った。




なんだか、複雑な気分。
フランス語で話されると何を話しているのかわからないし、

フレンドリーな人だから、距離を詰めるのが上手い。






「大我さん、あの。ごめんね。パトリックが。」





しかも、呼び捨て。

俺のことはいまだに大我さんって呼んでるのに。





京「それにしても大変だね。隣に住まないといけないなんて。」






あんまり嫌ではなさそう？






「いや、住まないといけないわけではないんだけど、このマンションはうちの病院から近いから、うちの医師結構住んでるんだよ。だから、薦めたんだけど、ちょうど私の隣の部屋しか空いてなくてね。」






なんだ。ただの偶然？






京「そっか。」






あ、そうだ。

渡すものがあったんだった。







京「これ。誕生日プレゼント。5ヶ月も遅くなっちゃったけど、お誕生日おめでとう。」








目丸くしてる。
サプライズ大成功？







「ありがとう。すっごく嬉しい。開けてもいい？」







プレゼントには意味がある。


それをあげる意味が。

気がついてくれるといいんだけど。







「時計？、え、すごく可愛い。ありがとう。」







早速つけてる。
よかった。喜んでくれてる。






京「なんで時計プレゼントしたと思う？」








考え込んでる？






「なんで、？うーん。医者って時計が大事だから？」






あ、そうなの？







京「プレゼントにはちゃんと意味があって。時計をあげる意味は、一緒に同じ時間を過ごせますように。」






嬉しそうだけど、ちょっと戸惑ってる？







「大我さん、本当に私でいいの？」






、え？






「勝手にいなくなって、迷惑かけて。、それでもまだ私と一緒にいたいと思ってくれるの？」








なんだそんなことか。







京「Aさんの行動は一つも間違ってなかったよ。おかげで週刊誌に記事を出されることはなかった。相談してくれたら良かったけど、俺はAさんに助けられた。それは事実。Aさん。俺、Aさんのこと好き。」









今度は気持ちに答えてくれるといいんだけど、。








「ありがとう。、でも。」






でも？






「もう少し待ってくれないかな？」






え、待つ？





「私、まだ覚悟ができてないの。馳さんみたいなことが今後もあるかもしれないし、普通のカップルと違って色々と大変なことも起こると思う。」

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