日常の中の非日常

5話 ページ5

ーYour Sideー





薬を塗るのが上手だと言ってくれることはとても嬉しいことだ。
かかりつけ医になってほしいというのも、医者として最高の褒め言葉だと思う。


でもこういう不調は定期的に起こるものではないから、次の予約をしてもらうこともできないし、
救命の外来に来た時に、私が外来のヘルプで来ている可能性はかなり低い。


そう考えると私がかかりつけ医になるというのは現実的な話ではない。
実際こんな話を患者さんから提案されてことないし。




もし、どうしてもっていうなら。






「私の仕事用の電話番号とメールアドレスをお渡ししておくので、何かあったら連絡してください。、オペ中だと対応できないこともあるかもしれませんが。」








京本さんは特殊な仕事されてるし、もし来るとなったら裏口から通すとか工夫しないと。

あとで、医局長に聞いてみよう。






京「ありがとうございます。」






あ、そっか。
処方箋出して院内薬局に行ってもらおうと思ったけど、それも厳しいか。

有名人だし。





他に診察に来てる人もいないし、しばらくこの部屋使える。

処方箋回して、服薬指導はこの部屋でやってもらおう。






「処方箋薬局に回して、薬を準備して持ってきてもらって、この部屋で服薬指導してもらうようにしましょうか？、精算機はあまり人がいないところにあるんですが、薬局はこの時間でも人通りあると思いますし。」







あれ、首傾げてる。

私なんか変なこと言った？






「京本さん？」






京「あ、すみません。あまりにも藤川先生が芸能人に対する反応を出して来ないので、俺芸能人じゃないと思われてるのかもって思ってたからびっくりして。そうしていただけると助かります。」








あ、そういうこと？


芸能人でも、普通の人でも。
医療の前では1人の患者だから、あんまり気にしてなかっただけなだけど。


私が思うより、芸能人って苦労が多いんだろうな。






「では、手配しますので少々お待ちください。」

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