日常の中の非日常

31話 ページ31

「大我さん？」





京「Aさん、馳さんのこと好きなの？」





、え？


なんで？
今の状況をどう判断したら、そういう発想に？






「好きじゃない。困ってるの。」






京「じゃあ、もっと危機感持ってよ。」







危機感？、どういうこと？
ちゃんと対応したつもりだったんだけど。






「私、ちゃんと対応してたんだけど。」







京「ああいうタイプは、ちゃんと話聞いちゃダメ。危ないでしょ？」




そんなに慌てなくても、。




「もう少ししたら、飽きるよ。多分、珍しいだけだから。」







あ、着いた。


ん？



「大我さん、なんで17階？」






京「22階で降りたら、階数までバレるでしょ。一回ここで止めて、次のエレベーターに乗ろう。」






なるほど。

大我さんいてくれて良かったかも。

私1人だったら、もしかしたら部屋まで着いてきちゃってたかも。






ーーー
あれから、私の部屋に大我さんを連れてきたはいいものの。


重すぎる沈黙。
どうしよう。






そう思って様子をうかがっていると、






京「ケーキ、一旦冷蔵庫に入れてくれる？」






ん？




「まだお腹空いてない？」







京「いいから。洗面所借りていい？」






まあよくわかんないけど、言うこと聞いておこう。






「うん。いいよ。」






ケーキ冷蔵庫入れないと。

こういう繊細なケーキって、運搬が難しいよね。

ちょっと傾けたら形が崩れちゃったりするし。


お、ちゃんと運搬できてる。


よかった。






京「入れた？」





「あ、うん。」





いつのまに背後に？
びっくりした。





京「痛かったら言って。」





そう言うと、私の手をまとめて掴んで、後ろの壁に押さえつけた。

これってどういう？





私の頭の横には、大我さんの手。




顔も近い。、






京「こういうことされても、抵抗できないでしょ？危ないんだよ。」






なんか言われてるのはわかるけど、頭に入ってこない。


綺麗な顔。

男らしい手。

なんかいい匂いもする。





ドキドキする。





そう思いながら、しばらく顔に見惚れていると、少し慌てた様子で。



京「あ、ごめん。怖がらせちゃった？」





私の手を離して、少し距離を取られてしまった。





「あ、ううん。、大丈夫。」





心臓が大丈夫じゃないけど。




そういえば。






「馳さんと大我さんって、知り合いだったの？」





ん？
なんか困ってる。
もしかして、聞いたらダメだった？





京「どこから話そうかな。」

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