日常の中の非日常

26話 ページ26

困らせちゃうかもしれないと覚悟しながら放った言葉は思ったよりもAさんを動揺させることはなかったようで、真顔で考え込んだあと、笑顔でこっちに向き直った。







「嬉しいよ。私も大我さんのこと人として、友達として、大好きだから。」









これは、全く意識されてない？

いや、言い方が良くなかった？






京「異性として好きって言ったらどうする？」






これならどうだ。そう思ってAさんの様子をうかがっていると、少し照れているように頬を赤らめている。






「大我さん、物好きだね。、芸能人なんだし、可愛い人たくさん周りにいるでしょ？」







俺にとっては、Aさんが可愛くて仕方ないんだけどな。
まあ、でも。

嫌がっては無さそう。







京「俺は、Aさんが好きだから。中身も見た目も全部好き。」








「ありがとう。、でも、私。、まだ大我さんのこと、そういう風には。」








まだっていうことは可能性があるってこと。

それだけでも頑張れる。








京「わかってる。だから、これから積極的にアプローチするから、覚悟してて。」







Aさん、顔真っ赤。

これは意外と付き合い始める日も近いかもなんて呑気に思っていた俺は、この後色々な事件が起こることは知る由もない。





ーYour Sideー





大我さん告白事件から3日後。
私は医局で頭を抱えていた。






三枝「藤川、大丈夫？」






あれ、この時間はオペだったんじゃないっけ、？
え、もうこんな時間？！






「大丈夫大丈夫。資料作んなきゃ。」






そう言いながら、パソコンを開くと、
三枝の手がパソコンに触れ、パソコンを閉じた。






「ちょっと。三枝。何？」






三枝「お前が大丈夫って2回言う時は大抵大丈夫じゃないんだよ。どうした？何かあった？」







三枝に隠し事はできないか。

相談してみよう。






「ある患者さんが、私に好意を持ってくれていて困ってるんだよね。付き合ってくれないなら退院しないとか、手繋いでくれないなら検査行かないとか、駄々を捏ねてきて。」







やばい。三枝めちゃくちゃ怒ってる。
やっぱりこんなことで相談するなって思うよね。







三枝「担当代わる。誰？その患者。」







、え？





「大丈夫だよ。」








三枝「大丈夫じゃないから時間がわからなくなるぐらい、頭抱えて悩んでたんだろ？」

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