十五話 ページ15
＿＿＿『そういやギターはまだ始めたばっかなんだっけか？』
＿＿＿『まあ』
＿＿＿『なら光に教えてもらったらどうだ？こいつギター出来るしな』
「…ギター、出来るの？」
おっちゃんと別れる間際、おっちゃんはそんな事を私に言ってきたので一緒に帰っている藤堂さんに聞いてみた。ちなみにもう日が沈む頃なので、と藤堂さんと一緒に帰っているだけだ。別に一人でいいと思ったのだが、おっちゃんがうるさいもので仕方なく藤堂さんの横を歩いている。
「…！まあな。特別上手いわけじゃないけど」
「そう…」
藤堂さんは私から話しかけた事が珍しいと思ったのか、少し驚いた後答えた。
「良ければ少し教えようか？」
「…良い、の？」
藤堂さんの提案に今度はこっちが少し驚いた。その提案には抵抗感は覚えない。沖矢さんや安室とかと違って藤堂さんには嫌悪感を抱かない。多分おっちゃんを除けばこの辺りでは藤堂さんくらいだろうか、嫌ってない人は。…考えたらなんだか自分可哀想になってきた。友人もいないし引きこもりだし…うわやっぱり悲しくなってきた。
「良いよ。西川さんたまに作り過ぎた料理とか持ってきてくれるでしょ？」
「…量を間違えて持ってくることはあるけど」
一人暮らしだからこそ自炊は当たり前だ。外に出たくないのなら尚更。コンビニ弁当とかじゃわざわざ外に行って買わなくちゃいけないし、日持ちもしないから自炊しているのだ。だからたまに配分ミスって、藤堂さんの家に持ってくるということが1ヶ月に一度ほどある。
でもあれ、捨てるのが勿体無いからって理由だけで持ってきただけなんだよな。なんだか申し訳ないけど、
「そのお礼だと思って。明後日なら空いてるから俺の家に来なよ」
「…それなら」
藤堂さんは私の返事に眼鏡を掛け直し、にこりと微笑んだ。借りを貸した覚えは無いが、借りを返してもらうということなら遠慮無く教えてもらおう。
だが偶然にも見えてしまった。藤堂さんのずっと向こうにいる、見覚えのある金髪を。
＿＿＿またお前か、と思ってしまった私は悪くない。
「…？どうかした？」
ずっと自分の方を見ていることに不思議に思ったらしい藤堂さんは、私の顔色を伺うように尋ねた。
「…いや…何でも」
しかし向こうに見えるあいつは、こちらを見ておらず何かを一点にじっと見ているようで、一切動いていない。
「俺の後ろに何か、…？」
後ろを振り向きながら呟いた藤堂さんは、私と同じく
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メランコリスト - Whiskyさん» 個人的にもスコッチさんは好きだったので生かしました。最後までご覧下さりありがとうございます。楽しんでもらえたのなら作者として嬉しく思います。 (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
Whisky - やっぱりヒロは生きてたんですね！押しなので嬉しいです。すごく面白かったです。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: e4b3f2a326 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - まゆさん» この作品を見て下さりありがとうございます。続きが気になってもらえるとは…これからも面白いと思ってもらえるよう頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月14日 19時) (レス) id: 35cf1a0a87 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - 氷雨さん» まさか応援コメが来るとは…ありがとうございます。ご期待に添えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 2時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メランコリスト | 作成日時：2019年8月11日 15時
