Episode 2-23 ページ41
「___おあついな、ほんまに。」
『……! ロボロ!』
扉に身を預けながら、苦笑を浮かべ呟いたのは、夕暮色の作務衣が特徴的な少年、ロボロだ。
先程よりも顔色が良くなっており、安堵の笑みを零した。
『目覚めたんだね。良かった。』
「お陰様で。一回寝たら、スッキリやわ。」
肩を竦め、おどけて見せるロボロ。
こやつもまた、顔が整っていやがる。確実に私の心臓を射止めにくる周囲の人間が恨めしいったらありゃしない。
「ご主人、声に出とる。」
『まじか。』
ドン引き顔のロボロを見て、へへと曖昧に笑ってみせる。
そんな私を一瞥し、腕を組んだロボロは、一変、神妙な面持ちで扉の前に佇んだ。
「言いたいことは2つ。1つは、同行の件、しんぺい神から聞いた。俺もまぁ、あんたに恩返しするなら、力を貸すのもやぶさかではないねんけど……。」
そこで、ロボロは一拍置き、目を閉じる。
「これは悪魔戦争。皆生き残ってハッピーエンド…とは思っとらんよな。」
『______。』
「しばらくは協力したるけど、そのときが来たら……。覚悟だけはしとき。」
そのとき、とは、いつか敵同士として剣を振るわなければならないときのことだろう。
辛い話だけど、甘いことばかり言っている場合ではない。
守りたいものと守れるものには大きな違いがあるのだから。
そして私が優先すべきものは決まっている。
隣に並ぶトントンを視界に入れながら、
『うん』
と力強く頷いた。
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なと(プロフ) - 運命/パロありがとうございます…!イケメン好き主人公とっても好きです!設定への落とし込み方楽しみにしつつ次作読みます! (12月3日 22時) (レス) @page48 id: 325b0ea001 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - ピット☆さん» 素敵だなんてっっ!嬉しすぎます!コメント、ありがとうございました〜!!m(_ _)m♡ (2022年2月10日 20時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - とても素敵な作品なのでこれからも頑張ってください!更新お待ちしてます! (2022年1月29日 13時) (レス) @page48 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - runvaさん» うわ〜〜〜!!!嬉しすぎます……!!!表現は特に試行錯誤したのでそう言ってもらえて良かったです♪励みになります!コメントありがとうございました〜!!! (2022年1月2日 16時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
runva - 戦闘時の表現、設定の細かさ、内容の濃さ、どれを取っても良いものしかありませんねぇ!更新頑張ってください!続きが出るまでループしてます! (2022年1月2日 0時) (レス) @page48 id: 409c60bc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ランス | 作成日時:2021年10月12日 15時