Episode 2-17 ページ35
『でもね、ロボロ。私は死んでないよ。』
「え?」
私の言葉に弾かれたかのように顔を上げるロボロは、自分の業に今にも泣き出しそうだった。
その表情は彼の優しさを物語っている。
『ロボロが不幸を与える存在なら、私はもうここで死んでるよ。』
「それは、」
『無事だったとしても、崖から落ちて無傷なんてありえない。ただ不幸を与える存在だって決めつけるのは早計じゃないかな?』
私は立ち上がり、あたりを見渡した。
そして、崩れた土と森林の間から私たちを導くような獣道を発見する。
私は、その獣道を指差しながら、ロボロの方へ振り返り、口角を上げた。
『ほらね?』
「_____ぁ、」
『きっとからくりがあるんじゃないかな。ロボロに好意を抱いている人に幸を与える、とかさ。』
「でも、俺は、今まで色んな人を不幸に陥れて……。」
震える声音で瞠目し、私を一瞥するロボロ。
そんな彼の言葉に、私は『じゃあ』と続け、
『この獣道を登ってみようよ。無事登れて、元の場所に戻れて、トントンたちに会えたら、』
私は目を細める。
『貴方は、人間に幸を与える、人間好きの、優しい神の子だよ。』
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なと(プロフ) - 運命/パロありがとうございます…!イケメン好き主人公とっても好きです!設定への落とし込み方楽しみにしつつ次作読みます! (12月3日 22時) (レス) @page48 id: 325b0ea001 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - ピット☆さん» 素敵だなんてっっ!嬉しすぎます!コメント、ありがとうございました〜!!m(_ _)m♡ (2022年2月10日 20時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - とても素敵な作品なのでこれからも頑張ってください!更新お待ちしてます! (2022年1月29日 13時) (レス) @page48 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - runvaさん» うわ〜〜〜!!!嬉しすぎます……!!!表現は特に試行錯誤したのでそう言ってもらえて良かったです♪励みになります!コメントありがとうございました〜!!! (2022年1月2日 16時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
runva - 戦闘時の表現、設定の細かさ、内容の濃さ、どれを取っても良いものしかありませんねぇ!更新頑張ってください!続きが出るまでループしてます! (2022年1月2日 0時) (レス) @page48 id: 409c60bc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ランス | 作成日時:2021年10月12日 15時