Episode 2-16 ページ34
『加護……？』
「元々、俺は人間やない。人間に幸を与える神の子やったんや。」
『ちょ、ちょちょいちょい。待って。』
手を突き出し、待ったをかける私に、ロボロは眉間を寄せた。
ちゃんと待ってくれるあたり、やはり根はいい人だ。
『悪魔って元々とかあるの……？ 悪魔として生まれてきたわけじゃないの……？』
「そっから………？？？？？」
『うっ、待って。この1日で何度も聞いてるなそれ……。』
ぐぅと唸る私に小さくため息を吐きながら、ロボロは目を閉じた。
「悪魔は、精神と魔力に負荷をかけすぎて、堕ちた存在を言う。トントンだって、元は人間やろ。」
『ストレスをかけすぎて大爆発ってやつか……。いや、トントンに関しては初耳かなぁ……。』
大事な部分を言ってないな…？ いや、言いたくないのか。
どっちしろ、後で問い詰めてやらないと。
『それで……？ 本来幸を与えるはずの神の子が、何で不幸を与える呪いなんか……。』
「……分からん。」
『え……？』
「俺が生まれた瞬間に、天災が続いたんや。周りの幸せに嫉妬して、不幸を与えた……そう言い伝えられてるのが、嫉妬の悪魔、ロボロ。」
『じゃあロボロが堕ちたのって、』
「自分の役割を全うできなかった。人間たちが噂したように、俺は人間好きを自称しながら、普通の人間として幸せに生きてる人間たちが……きっと心の底では憎かったんや。やから……そんな自分に嫌気がさして、自分が嫌いになった。」
血が滲むのではないかと言うくらい、ロボロは拳を強く握り、口を結んだ。
彼は人間を憎んでいるわけではない。不甲斐ない自分をずっと呪い続けていたのだ。
呪い続け、呪い続け、呪い続けた結果、天は彼を悪魔に下してしまったのだろう。
優しすぎるその理由に、私は深く息を吐いた。
ロボロは、さらに続ける。
「俺はこれ以上人間を傷つけたくはない。でも俺は、常に幸の加護を受けてるから簡単には死ねないんや。……せやから、この悪魔戦争に勝ち残ったら、史書に、俺の存在を消すことを願う。」
瞑目し、力強く言い放つ彼の覚悟に思わず喉を鳴らす。
苦渋に顔を染めるロボロを見ながら、私もまた眉を下げ、顔を下に向けた。
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なと(プロフ) - 運命/パロありがとうございます…！イケメン好き主人公とっても好きです！設定への落とし込み方楽しみにしつつ次作読みます！ (12月3日 22時) (
レス) @page48 id: 325b0ea001 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - ピット☆さん» 素敵だなんてっっ！嬉しすぎます！コメント、ありがとうございました〜！！m(_ _)m♡ (2022年2月10日 20時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - とても素敵な作品なのでこれからも頑張ってください！更新お待ちしてます！ (2022年1月29日 13時) (レス) @page48 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - runvaさん» うわ〜〜〜！！！嬉しすぎます……！！！表現は特に試行錯誤したのでそう言ってもらえて良かったです♪励みになります！コメントありがとうございました〜！！！ (2022年1月2日 16時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
runva - 戦闘時の表現、設定の細かさ、内容の濃さ、どれを取っても良いものしかありませんねぇ！更新頑張ってください！続きが出るまでループしてます！ (2022年1月2日 0時) (レス) @page48 id: 409c60bc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランス | 作成日時：2021年10月12日 15時
