酒言葉２ 青×桃

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桃side


青「あ、小瀧さん！何か忘れ物でもありましたか？」

「いえ、藤井さんと話したいことがあって。少しお時間大丈夫ですか？」


藤井さんが唾を飲み込んだのがわかる


それは動揺してるってことでええの？


もしそうなら、やっぱり…


青「大丈夫ですよ。そこのソファーでいいですか？」

「聞かれたくないことなので、できれば2人きりになれる場所がいいです」

青「…それじゃあ、さっきの会議室で」


藤井さんは受付の人に、"また後で"と声をかけると


さっきまで打ち合わせをしていた会議室へと向かう


青「それで、話って？」

「藤井さんはrainboWってお店ご存知ですか？」


遠回しに伝えて気づいてもらえなかったら嫌やから


真っ直ぐ、聞きたいことだけを質問する


青「いえ。知らないです」


何の迷いも無さそうに、そう返されたけど


俺は見逃さなかった


少しだけ、本当に少しだけ藤井さんの目が見開いたこと


「嘘つかないでください。知ってますよね？」

青「だから知らないですって。お話ってそれだけですか？それなら、もうこれで…」


そう言って藤井さんがドアノブに手をかけたところで


「なんで！なんでそんなに話を切り上げたがるんですか！？ほんまに知らないなら、そんなに急がなくても！」

青「別にそんなことないです。別の仕事があるので」

「どうして。なんで俺を避けるん？なぁ…藤井さんがSTARなんやろ？」

青「っ…」


ほら、また反応したやん


やっぱり藤井さんがSTARなんや…


「なんでいきなり消えてん。お願いやから教えてや」

青「なんのことですか。人違いちゃいます？」

「もう嘘つくんやめてや…」

青「嘘なんかやn…「それなら！」

「それならなんで目、"ピクッ"ってしたん？バレて動揺してるからやろ？」

青「…もう失礼します」


俺の質問には何も答えず、出て行こうとする藤井さん


俺はそんな藤井さんの後ろ姿に向かって


「俺、待ってますから！今日、仕事終わりからずっと！あの店で！閉店するまでずっと！！」

青「……」

「せめて俺の想いくらい聞いてや…」


藤井さんは振り向きもせずに行ってしまった


それでも、俺ずっと待ってるから


藤井さんが…


STARがあの店に来てくれると信じて待ってるから

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