酒言葉２ 青×桃

60 ページ12

桃side


「あの、そのことはご両親知ってるんですか？」

黄「いいえ笑 自分で言うのもあれなんですが、実家が金持ちでして…そんなこと親には言えず…」

「なるほど」

黄「親には言えないまま好きでもない相手と結婚させられて…その後も、早く孫の顔が見たいって何度も言われて子供まで…」


俺の予想通りや


奥さんがどう思ってるかはわからんけど、JUNさんは奥さんに対して恋愛感情は抱いてない


結婚も親を悲しませないためやろうし、子供やって親の喜ぶ顔を見るために


「ごめんなさい。KIRAのこと弄んだ最低な人やって一瞬でも思ってしまったこと謝ります。ほんまにごめんなさい」

黄「あー！いやいや笑 気にせんといてください！実際に最低な人間ですから…」

「いや！全然そんなことないです！親のために、素敵な方です」


しげがこの人を好きな理由、なんとなくやけどわかる気がする


家族に嘘ついてまで、家族の幸せを壊さなかった


ほんまに優しい人や


でも、だからと言ってしげの幸せな空間を無くしてほしくないから


「これ、KIRAからです」

黄「え？」


サイドカーが注がれてるグラスをJUNさんに差し出して


「KIRAの想いが込められてます」

黄「ほんまに？」

「ほんまです。これをJUNさんに渡してほしいってKIRAに頼まれました」


しげの想いが届いてほしい


そう願いながら差し出したグラスをJUNさんは受け取り


そのグラスに口をつければ最後まで一気に飲み干して


黄「…KIRAに会いたい((ﾎﾞｿｯ」


静かに呟かれたその言葉に小さく心の中でガッツポーズをする


よかった。きっとしげの想いが届いたんよな？

61→←59

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す