168【たとえそこに言葉がなくとも】 ページ26
．
(夢主side)
私の肩を掴むその手は、力を入れているはずなのにどこか弱々しくて寂しげで、少し震えていて。葛藤が伺えた。
妹と容姿が似ていて、全く同じ個性を持ってて、妹が行方不明になってからすぐに登場したヒーローの女の子なんて。
違うのは年齢と苗字、それから瞳の色と髪型だけ。あとはお化粧くらいなもの。
出久とオールマイトのことも気づいてしまった彼のことだ、きっともう確信しているのだろう。だからこうして私を引き留めた。
触れられる距離に、ある日突然居なくなった妹がいる。そんな状況で、問いたださない方がおかしい。
彼の弱々しい手から視線をずらし、彼の顔をゆっくりと見上げる。
何か言いたげな彼の顔は、とても怒っているような、悔しいような、そんな顔で。肩は僅かに震えていて。
口元を震わせ、まるで何かを叫びたくて仕方ないような…
あぁ、でも、その顔は＿＿＿＿＿＿＿
爆豪「…っ……………」
今にも泣き出しそうな、子供のような顔。
爆豪「…っ、なぁ」
心の中の、泣いている私と同じ
『それは、俺にしたことだもんな。』
A「…馬鹿だなぁ、私。」ﾎﾞｿｯ
何であんなこと考えたんだろう。
勝己も、不安だったんだ。泣き叫びたくなるほどに。
私の肩を掴むその手を、そっと外して両手で包み込んだ。
ただぎゅっと握る。それだけ。
私はここにいると、真っ直ぐに目を見て伝える。
柔らかく、暖かく包み込み、優しく微笑んだ。
爆豪「！！」
たとえそこに言葉がなくても、きっと伝わる。
そこに言葉なんていらない。
ただ心さえあれば。
A「…じゃあね。
プロになるまで、ずっと待ってる。」ｽｯ
爆豪「は…」ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｶｰﾝ
ちょうど昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
もう一人になって落ち着こうとしなくていい。
そうして私の足は、自然と保健室へと向かうのだった。
.
169【言わせてもくれない】→←167【いつも、支えられている】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 474人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます泣 応援すごく元気出るので嬉しいです！ 更新がんばりますね！ (2022年2月24日 14時) (
レス) id: 7515cbf653 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 大変でしたね、ゆっくりでいいので更新を楽しみにしています！ (2022年2月22日 20時) (レス) @page47 id: f5c8f9addd (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 霧雨さん» 霧雨さんありがとうございます！常闇爆豪心操いいですね！！好き〜♡ホークス推してくださってありがとうございます！（ホークス・爆豪・荼毘推し）頑張ります〜！ (2022年1月1日 0時) (レス) id: 51e8a4cddb (このIDを非表示/違反報告)
霧雨 - やばい好きｯｯｯ一瞬でましろさんのファンになった。推しがｯｯｯ尊いｯｯｯ(常闇爆豪心操)最近じゃあホークスも推しになりました！応援してます！頑張ってください！！ (2021年12月26日 11時) (レス) @page18 id: 5c4f8e78ab (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - まかだみあさん» やっとかっちゃん登場ですね！先週テスト週間中の更新だったので、話が雑になってないか心配してました…良かったぁ！ありがとうございます！ (2021年11月29日 21時) (レス) id: 532f2f4f51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ましろ | 作成日時：2021年10月29日 17時
