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20話 ページ20

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その次の日だった。
ぎすぎすと流れる異様な空気に皆は様々な反応を示すものの、直接尋ねるようなことはしない。
私としても出陣や遠征は無くても、掃除や洗濯とやることは多いため、あまり私情を持ち込まないよう、むしろ紛らわすために いつもより倍、働いた。
しかし、
「‥‥っ!」
昨日と同じように 作業中、突然
ドクリと心臓が鼓動する。

歩き慣れた廊下なのに。
歩を進める度、どんどん可笑しいくらいに身体が熱くなる。

どうして、霊力は、昨日‥貰った。いや、霊力不足とは少し違う感じがする。

激しい運動をしている訳でもないのに息が荒れて、熱くて苦しくて汗が止まらなく、自分が進んでいるのかも分からない。
ふらふらの足を動かすのも辛くて壁にもたれかかるように膝を折り、しゃがみこんだ。


******




「拒絶反応ではないのですか。」
「拒絶?」
「はい。ずっと鶴丸国永から霊力を貰ってきたからでしょう。」

なんとか倒れこむように主様に相談しに審神者部屋を訪ねたところ、丁度政府からの連絡を伝えにきたこんのすけが淡々と答えた。
その機械的な瞳は怖く、こんのすけは、
はぁ と小さく溜息をついて、主様の方を向く。

「審神者様。そろそろ潮時ではないですか?政府としましても、これ以上は黙っていられません。」
「ぜ、絶対に嫌‼ Aは私の大切な刀です!」
「‥刀としての役目は果たしておりません。完全にお荷物です。」

何を言われているのかはすぐに察した。
こんのすけも今日の要件はそれだったのかもしれない。それくらい容赦のない言葉だった。

苦しいくらいに熱かった身体がスゥーと冷める、否 冷めた。
さっきまでが嘘みたいに正常へと戻る。
しかし、今更大丈夫だと言ったところで意味はない。
戦に出ない、ましてやこんな不安定、
政府だって黙認できない。
自分でもそう思う。
少し頑張ったくらいでは意味はなかった。
今の練度では引き合いにも出せない。

主様とこんのすけは言い合いを始めて、段々と声が大きくなり、
声を聞きつけた刀剣達が集まってきた。

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あめみや - 急な一期一振に口角が下がりません。ありがとうございました (2月23日 20時) (レス) @page30 id: d39539a2df (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 凄く感動しました、、。 (2020年8月13日 0時) (レス) id: 45c17c16c0 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - すごーくおもしろかったです! (2020年3月28日 10時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
anao10(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れさまでした…!そわそわする展開で毎話毎話じっくりと読み込んでしまいました…笑。次回作品も楽しみです。 (2019年10月24日 0時) (レス) id: 8c68a256f2 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!作者様の書かれる作品は素敵な物ばかりで、本当に大好きです!!毎回、刀剣男士との距離の描き方が上手で、毎回楽しみに読んでおります!次のお話も楽しみにしてます… (2019年10月22日 23時) (レス) id: 8cdd57f528 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年10月6日 15時

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