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13話 ページ13

「事実、焦っているのだろう。俺には死にたがっているように見えるからなぁ」
「三日月さん、それ本当なの?」
「ん?かん というやつだな」

心臓が握られた。
そんな錯覚を覚える。
私に気付いているのかは分からない、でもこれだから三日月宗近という刀は恐ろしい。


「俺もそう思うぜ、三日月。
まったく、迷惑な話じゃないか。一振りでも折れてしまえば陣形が崩れて残された刀剣も危険な状態になるというのに。
主もそろそろ許可を出しそうな勢いだ。
頭が痛い。」
「まぁ、そうだな。それに、折角、鶴があんなに健気に霊力を与えているというのに‥なぁ?」
「‥‥‥三日月。」
「ははは、すまんすまん。」

酒の席だからか、なんとも嫌な絡みだ。

「でも、最近は調子良いみたいだよ。鶴さんもあげてないんでしょ?」
「‥‥あぁ。 あげてはいない。」
「普段は大人しそうだが、あの時だけ人が変わるなぁ。 そう、まさしく女の顔 というやつだな、」

ほけほけと 笑う彼の顔からとんでもない言葉が飛び出して、私はかぁっと顔が熱くなる、

こ、これだから 平安は!

しかし、そんな私の高まった熱も
次の一言で 一瞬にして凍りついた。

「女?あれがか? 浅ましいだけだろ、」

なんて、容赦ない一言。

「‥鶴さん‥。少しは素直に‥」

苦笑いした燭台切さんの言葉の途中で、私は踵を返して来た道を引き返した。
回り道をして自室へと戻り布団を鷲掴んで頭からかぶる。



‥‥‥勝手に聞いておいてあれだが、聞くんじゃなかった と、思う会話だった。
いや、集団で生活してるんだ、何かしら言われる覚悟はしていた。

でも、何故だろう。ズキズキと身体が痛む。
胸の奥がモヤモヤとして 吐きそうだ。


言われた言葉は頭をぐるぐると回り
「もう、頼めないなぁ」と声に出した。
鶴丸さんにはもう、霊力は貰えない、いや
貰いたくないと思ってしまった。

だって、こっちは苦しくて辛くて、見苦しいのは分かっていたけど、どうしようもなくて必死だったのに、彼にはあんな風に映っていたなんて、
なんか、もう、悲しくて恥ずかしくて。
冷たい目だったから良く思われていないのは
分かっていたけど、それでも、やっぱり‥分かって欲しかった。
もしかしたら彼はそんな私の心を見抜いていたのかもしれない。

それなら仕方がないか、
私はそんな言葉を吐き出して瞼を閉じた。

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あめみや - 急な一期一振に口角が下がりません。ありがとうございました (2月23日 20時) (レス) @page30 id: d39539a2df (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 凄く感動しました、、。 (2020年8月13日 0時) (レス) id: 45c17c16c0 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - すごーくおもしろかったです! (2020年3月28日 10時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
anao10(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れさまでした…!そわそわする展開で毎話毎話じっくりと読み込んでしまいました…笑。次回作品も楽しみです。 (2019年10月24日 0時) (レス) id: 8c68a256f2 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!作者様の書かれる作品は素敵な物ばかりで、本当に大好きです!!毎回、刀剣男士との距離の描き方が上手で、毎回楽しみに読んでおります!次のお話も楽しみにしてます… (2019年10月22日 23時) (レス) id: 8cdd57f528 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年10月6日 15時

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