私の声、君の歌声-3-

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このボイスレッスンの先生は、こっちに引っ越してから新しくついてくれた先生



たまに先生の真っ直ぐな言葉に心が折れることがあるんだけど、この先生は嘘をつかずに評価してくれる





その先生がこんなにきつく言うってことは、相当。ダメみたい。私の曲






そんな時、前のボイスレッスンの先生に会いたくなった

オーディションを教えてくれた先生。
家の近くのボイスレッスンの先生。









明日行こう、そう決めた、土曜日だし、きっと教室にいる



そうなると、次の日が日曜だから実家に泊まろうかなって。


お母さんにLINEすると、その日は出張帰りにたまたまお母さんも家にいるみたい。








帰るのは、２ヶ月ぶりかな

あんまり、乗り気ではないんだけど、そんなことも言ってられない、曲を聴いて貰わなきゃ








次の日の朝、早くに寮を出る。


小さなバックと、冬服を家から持っていくために、空のキャリーを引きずる。






電車から見える景色に、懐かしさを感じながらボーっと景色を眺める




懐かしいなぁ、２ヶ月なのに





最寄りに着くと、そこには私の知らない街


駅前の美容室がコンビニに変わっていた

あれ、あそこ駐車場だったっけ、

あそこに、古いアパートが立っていたのに今は更地だ



とか、２ヶ月の時間は、この街を少しずつ変えていく








なんだか寂しい気持ちになりながら、実家につく。

キャリーを置いてすぐ先生に会いにいこうとすると


「おかえり」

ってリビングから出てくるお母さん

「ただいま、ちょっと出かけてくるね」


そう伝えると家を出て向かう







教室について、先生を探すとちょうど空きコマらしく、曲を聞いてくれるみたい









いざ歌い終わると、難しい顔する先生


「Aちゃん、あと1週間あるから、焦らないでもう1度考え直してみて」

「…、全部ですか？」






「うん、そのほうがいいかもしれない」

「Aちゃんから、気持ちが伝わってこない」

「自分の言葉を歌にしなさい」

「まだ1週間あるんだから、出来る」



「頑張って、Aちゃん」

「また連絡してくれればいつでも聴くわ」






そう言って部屋を出ていく先生









今でも十分、自分の声を歌にしてるんだけど






まぁでも、とにかく作り直さなくては。

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