桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ10)

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みんなの秘密ページ10

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優「おっ、3人共来たな～」

玄「海人久しぶりだね」

勇「またちょっとでかくなったか？」

いつもの大きな桜の木の下で待っていた4人

勇太とカイちゃんが背比べをしたら、カイちゃんはまた大きくなっていた

「あのね紫耀、さっきも言ってたんだけどたまには向こうの公園行かない？」

紫「向こうの公園？」

「うん、お店とかいっぱい出てるんだよ」

私が言うと、すでにシートを敷いて座り込んでいた紫耀はみんなと顔を見合わせた

紫「んー……俺はここが好きやなー」

玄「俺も。Aは嫌？」

「嫌じゃないけど…」

勇「ここじゃないと花見って感じしなくね？」

紫「学校も見えるし、ここの桜が一番綺麗やで」

そう言ってほとんど散ってしまった桜の木を見上げる紫耀

その横顔があまりに綺麗で

私は何も言えなかった

たぶんみんながこの場所にこだわってるのには何か理由があるんだ

でもそれって何なんだろう…

廉「Aはチョコバナナ食いたいだけやろ」

優「しょうがねーなー、今度俺が作ってやるよ」

紫「ふはっ、よかったやんA」

「ち、ちがうし！」

少し拗ねた私を、いつもみたいに優しい目をして笑う紫耀

優ちゃんも、玄樹も勇太も

紫「ほら、ここおいで」

「…うん」

紫耀の隣で一緒に桜の木を見上げていたら

やっぱり紫耀は優しい目で私を見ていて

でも一瞬、私の向こうに違う何かを見ていた気がしたんだ

「紫耀…？」

紫「なぁ……また来年も、みんなで来ような」

ぽんぽんと私の頭を撫でながら微笑む紫耀

いつからか

みんなが私に何かを隠してるんじゃないかって

そんな風に思うようになった

「……うん」

さっき、紫耀は何を見ていたんだろう

桜の花びらがひらひらと舞う中

私はそれだけをずっと考えていた

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