桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ8)

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新しい友達ページ8

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みんなにはああ言ったものの

一緒に食べる相手がいるわけもなく、教室で一人でお弁当を広げる

一人ってこんなに寂しかったっけ…

物珍しそうに見るクラスメイトの視線も痛くて

ほとんど食べずに片付けて教室を出た

「何やってんだろ…」

どっちみち一人なら、みんなと食べてればよかった

華の高校生活

こんなはずじゃなかったのにな…

中庭で一人ベンチに座って空を見上げる

雲が少しずつ形を変えながら動いていて、ただボーっとそれを眺めていたら

顕「なーに見てんの？」

空から突然誰かの声がした

「あ……阿部くんっ…」

上から覗き込まれてびっくりしていると

彼は何故かあははって笑いながら隣に座った

顕「何かと交信でもしてた？笑」

「ち、違うよっ」

阿部顕嵐くん

同じクラスで人気者の彼は

バスケ部の期待のホープだって誰かが言ってた気がする

顕「今日はあの関西弁のやつと一緒じゃないんだ」

「あ…うん」

顕「いつも一緒にいるけどさ、付き合ってたりする？」

「ううん、付き合ってないよ」

顕「ふーん……じゃあさ…」

そう言って阿部くんはポケットから自分の携帯を取り出した

顕「ケータイ教えて？」

「え？」

顕「…ダメ？」

「……いい、けど」

顕「まじ！？よっしゃああ」

大袈裟に喜ぶ彼を見て思わずクスッと笑うと

照れ臭そうに何だよって頭をコツンと小突かれた

私の、高校で初めて出来た友達

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