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もう一人 ページ42
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「ねぇ、この前言ってた話って本当？」
顕「この前？」
中庭のベンチで空を眺めていた顕嵐くんが
私に視線を落とす
「うちの近所で交通事故があったって」
顕「あー、本当だけど…どうかした？」
「うん…なんか気になっちゃって」
あれからずっと気になってはいるものの
お母さんはよく覚えてないって言って教えてくれなくて
顕「何が気になるの？」
何が気になるのか自分でもよくわからないけど
とにかく詳しく知りたくて
顕嵐くんに知ってる限りのことを聞いた
10年ぐらい前に起きた事故で
亡くなったのはたぶん私の通っていた小学校の男の子だということ
顕「あ、確かもう一人一緒に事故に遭ったらしいって聞いたけど」
「え…もう一人？」
顕「うん、でもその子は助かったんだよ」
一緒に事故にあって
一人は助かった
それを聞いてからますます事故のことが気になってしまった
何だか胸がザワザワして、たまらなかった
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作者名：たかりな | 作成日時：2017年3月12日 21時
