泣き顔と笑顔 ~廉side~ ページ29
〜廉side〜
昼休みもあと少し、Aと二人で教室まで歩く
A「ねぇ、目腫れてる？変？」
俺の顔を覗き込むようにほら見て、と顔を近づけてくるA
近いわ…
「……ちょっと赤いけど」
A「本当？もっかい顔洗ってくるー」
さっきまで大泣きしてたくせに、今は目がどうとか気にしてる
女ってようわからん
「そんなにショックやったん？紫耀に彼女おって」
ハンカチで顔を拭いていたAが、俺の顔を睨むように見てくる
怖っ
A「もうその話しないで」
「何で？」
A「……また泣いたらどうしてくれるのよ」
「慰めてやる」
A「嘘ばっか」
ふん、と顔をらそらしたA
何でやねん
ほんまに慰めようとしてんのに…
俺は紫耀みたいに優しくできないけど
紫耀みたいに筋肉ないけど
一個だけ、紫耀に勝てるとこあんねんで
「なー今日二人で帰らん？」
A「なんで？」
「別に理由はないけど」
A「……」
たまにはAを独り占めしたい
慰め役はいつも勇太や玄樹にとられて、俺はAになんもしてやれないから
「お前の好きなアイス奢ってやってもええで」
A「私の好きなアイス知ってるの？」
「ガリガリ君やろ」
A「それは小学生のとき」
「じゃあパピコ？あ、ピノやろ！」
A「ちがーう」
俺はずっと一番近くでAを見てきた
だからAが紫耀を好きなことぐらい気づいてた
だけどな
俺は…
「わからん、何やったっけ？」
悪戯っぽく笑うその仕草が、今日も俺の心を揺さぶる
A？
俺は誰よりもAのことを想ってる
それだけは誰にも負けへんねん
紫耀にもな
A「正解はー、ハーゲンダッツでした！」
「はぁ？…嘘やん」
A「廉のおごりでハーゲンダッツかー、何味にしよっかな〜」
「そこは遠慮するやろ普通」
まあええわ
さっきまでの泣き顔より、Aにはこうやって笑ってて欲しい
その笑顔が大好きやねん
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 644人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たかりな | 作成日時：2017年3月12日 21時
