桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ21)

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思い出せないページ21

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10年前＿＿＿

海「あっ！Aちゃんだ！」

「カイちゃん！」

久しぶりに幼稚園に行くと

私を見て嬉しそうに駆け寄ってきたカイちゃん

海「もうげんきになったの？」

「うん、げんきだよ！」

海「ほんと？じゃあまたあそべる？」

「ようちえんはくるけど、まだあそんじゃだめだってママが」

海「えー、そうなの…」

少しガッカリしたカイちゃん

でも幼稚園では遊べるよって言うと、そうだねってまたニッコリ嬉しそうに笑った

少し前まで私は入院していて幼稚園をずっと休んでいた

怪我をして入院してたらしいけど

どうして怪我をしたのか私にはその記憶はなくて

ショックで忘れちゃったんだよって

後から色んな人に言われた

「カイちゃん、廉は？まだかなぁ？」

辺りを見回しても廉の姿が見えなくて

そしたらカイちゃんの顔が曇っていった

海「…廉いないよ」

「……きょうおやすみ？」

カイちゃんが寂しそうに、廉は引っ越したんだよって教えてくれた

すごくショックだった

入院してる間、ずっとみんなには会えなかったし

退院してもしばらくは遊んだりできなくて

でも幼稚園でカイちゃんと廉には会えるって思ってたのに…

「みんなとあそびたいな…」

海「いつになったらあそべる？」

「わかんない」

海「みんなもあそびたいっていってたよ、優兄と～紫耀と～」

「ほんと？勇太と玄樹も？」

海「うん！勇太と玄樹も」

「あと……」

いつも一緒にいたみんな

優ちゃん、紫耀、勇太、玄樹、廉、カイちゃん…

「あとさ………えっと……」

何だっけ

何か忘れてるような気がするんだけど…

海「なーに？」

「んー…………わすれちゃった」

海「えー、Aちゃんへんなのー」

「えへへ…」

それからみんなに会えるようになっても

ずっと感じていた違和感

でも子供だったから

いつの間にかそんなことも忘れてしまっていた

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