桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ1)

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記憶ページ1

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私には少しだけ、自分でも思い出せない過去がある

誰だって幼い頃の記憶は薄れていくものだろうけど

昔からずっと、そこだけがポカンと思い出せない

「ねぇ、昔の話して？」

廉「むかーしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました」

「そうじゃない、私たちの話だよ」

勇「俺たちの熱い友情の話？」

「うーん…まぁそうなんだけど、私が小学校にあがる前とかそのくらいの時のこと」

玄「Aはおてんばだった」

紫「そうそう、木登りとかカイよりうまかったし」

海「僕あんまり覚えてないや」

優「お前はチビだったもんな」

私たちはいわゆる幼馴染で

みんな家が近所で小さい時からずっと一緒に過ごしてきた

一番年上なのに、どこか抜けてる優ちゃん

いつも私を甘やかす一つ上の紫耀と玄樹と勇太

唯一同い年の廉

一番下で甘えん坊のカイ

「いつも7人で遊んでたよね？」

紫「うん、そうだよ」

勇「あとよくAは転んで泣いてたな」

玄「優兄と紫耀がかわりばんこでおんぶしてたよね」

覚えてる

優ちゃんがいつも年下の私たちの面倒をみてくれていたこと

力持ちの紫耀に何度おんぶしてもらったか

ちゃんと覚えてるのに

「紫耀たちが小学校に入って、私と廉とカイちゃんの3人でさ…」

廉「うん？」

「3人で……」

やっぱり思い出せない時期があるの、何でだろう…

紫「Aはまだ小さかったから覚えてないんだよ。廉もそうやろ？」

廉「……うん」

そんなもんなのかな

いつも不思議に思ってたけど

やっぱり小さかったから覚えてないだけなのかなぁ

優「そんなことより、ちゃんと勉強しないと俺たちと同じ高校受かんないぞ？」

「…そうだね！勉強勉強！」

わたしと廉は受験生

みんなが行ってる高校を目指してるんだ

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