△７３「王子様？」 ページ31
△７３
晴翔「で、うちに何しにきたんですか？」
至「Aをお迎えに？」
いつもと違ってONの至さんが言うと、本物の王子様のようだ……
でも………
「わ、私はそんなの頼んでませんよ！！」
晴翔「Aだって、こう言ってるけど？」
至「A、少しはずしてもらってもいいかな？」
何を話すんだろう………
·
至「で、どういうつもり？」
晴翔「どういうつもりとは？」
至「Aをどうしたいの？」
晴翔「どうしたいってもちろん、幸せにしたいって思ってるよ。」
至「そっか。それなら俺たち気が合うかもね？」
晴翔「は？何言って………」
至「キミだって本当はわかってるんでしょ………？」
·
至「失礼するね。」
ドアをノックするとともに、返事もしてないのに至さんが入ってきた。
「わっ！な、なんですか！！」
ぼーっとしてた私は、急な声に驚いてしまって…
至「荷造りちゃんと出来た？」
「な、何言ってるんですか！？
さっきから帰らないって言ってるじゃないですかっ！！」
そういうと彼はゆっくりとこちらに向かってきて………
至「はやく言うこと聞かないと、お仕置きしちゃうよ？」
さっきまでのキラキラな王子様感が、まるで嘘のよう………
そう、今の言葉は見た目こそONの姿だが、これは正真正銘OFFの姿「たるち」の言葉だ。
至「もうすぐ、イベ始まるからそれまでには帰りたいの。
理由とかその他もろもろ、後で説明するからはやく準備して？」
笑顔の裏が見えすぎて、とても怖い。
本当は帰りたくない。
みんなを裏切ったのに、どんな顔して帰ればいいのか全くわからないからだ。
だけど今は………
至「わかったら、急いでくれるかな？」
至さんの方に歯向かう方がよっぽど怖い………！！
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作者名：きゃらめるみるく | 作成日時：2017年4月10日 1時
