オワリにしよう。2（Daiki.A）

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終業時刻を過ぎ、いつものように続々と社員が席を立つ。






大貴「なんか予定でもあんの？」



せっせと帰り支度をする私の姿を見て、有岡くんが訊ねた。






A「ん？あ、そう。今日、」




答えている途中で、こちらに向かってくる人に気づき、ついそっちに気を取られてしまった私を見て


有岡くんもそれを追うように振り返る。





光「出れそう？」


A「はい、大丈夫です」




有岡くんが私と先輩の顔を交互に見ている。







光「お前も行く？」


大貴「え、……」




クイクイッ、とジョッキをあおるような仕草をする八乙女先輩



なぜか口籠もった有岡くんは、彼の隣に立った私をちらりと見た。






大貴「……2人で行くんですか？」




探るような瞳


対して、先輩の口元はわずかに緩んでいる。





光「さぁ…？

場合によっては2人になっちゃうかもねー」






A「え？」

大貴「じゃあ、いいです。邪魔しちゃ悪いんで！」




ワンテンポ遅く反応した私の声と、有岡くんの声が見事にかぶった。




光「そう？邪魔ってことはないんだけどねー」



じゃあ、お先ー！って行ってしまった八乙女先輩に置いていかれないよう、私もそれについて行かざるを得なかった。





…間違いなく、なにかを誤解されている。



「お、おつかれさま！」
慌ててそれしか言えなかった私に対して有岡くんは、



おつかれさま。と、
落ち着いたトーンで、でもどこか元気無さげに呟いた。


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