オワリにしよう。2（Daiki.A）

72（04.01 up） ページ28

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「で？そっから覚えてないの？」

A「うん」



久々の同期女子会

前のめりな二人が、私の顔をじーっと見ている。




「…服は」

A「え？」

「目、覚めた時。服着てた？」

A「あ、うん…着てたというか、そのままというか…フル装備というか…」



張り詰めていた空気が一気に緩む。

はぁ〜…！って、ふたりしてだらーんってなってる。




A「なによ、人の話だからっておもしろがってるでしょ！」

「ちーがーうー、あんた人のこと何だと思ってんのよ」

「有岡くんがクソ野郎じゃなくてよかった、ってこと」

A「あぁ…」

「だって、酔った女の子家まで連れて帰ってあげてさ。健全な男子諸君が手出さないと思う？」

「ほんとだよー。ただでさえチャラ系なんだから」

A「…やっぱりそう思う？」

「まー分からんけども」





通りかかった店員さんにジョッキを掲げておかわりの合図をしている同期に

思い切って最近のモヤモヤを話してみることにした。


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「秘書？好きねー男はそういうの」

「伊野尾くんも受付嬢狙ってたもんな」

A「秘書ってえろそうだよね、」

「…そこ？」

A「じゃなくて。年下だよ？有岡くんは年下好きだって聞いたことある」

「んあー…可愛がるのが好きってことじゃない？年下みたいな子、でもありなのかもだし」

A「でもでも、その秘書課の女の子が酔ってすりすりして、有岡くんが送ってあげたって」

「すりすりって」

A「最近ちょっといい感じだったし、ふたりでご飯行ったし、帰りはわざわざついてきてくれたのに…」

「…………」

A「あーでもレナちゃんって子送ったってことはやっぱり、有岡くんって誰にでもそういうことしちゃうタイプなんだ、そうだ」

「…………」

A「…は！！待って待って、もしかして私ってそもそも女として見られてない！？同期としての時間長すぎて、まさに同期以上恋人未満で、」

「………」

A「私のことベッドに寝かせて、寝顔見て、ぶっせぇ…とか言ってたんだよきっと。そうか、レナちゃんにはきっとあんなことやこんなこと…！」



んぎゃぁぁぁって頭を抱えた私は、この居酒屋の喧騒の中で、この場所だけが静まり返っていることに気づいた。



おそるおそる顔を上げる…

ふたりが呆然とした顔から、にやり。

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