オワリにしよう。2（Daiki.A）

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大貴「あーもうほら、言わんこっちゃない」

A「だいじょーぶ、帰れますよー」



見ての通り、ずいぶんと酔ってしまった私。



ちょっとふらふらしてるだけで、意識はしっかりあるから一人で帰れるって言ってるのに。

勝手についてくる有岡くん。




最初はついてくるだけだったのに、何回かふらついて腕引っ張られたりしてたら、

とうとうがっつり支えてくるようになった。



体が密着して、ドキドキして死にそうだからやめて…今日が私の命日になる…





．





もしかしたら、今がピークかもしれない。

酔ってるけどまだ理性はしっかり保たれてる、そう。今がピーク。


アルコール様、そのお力借してくださいませ。





A「あのね、有岡くん」

大貴「ん？」

A「この仕事頑張れたの、有岡くんのおかげだよ」

大貴「それは大げさだって」

A「ほんとだもん！有岡くんがいてくれたから、安心して頑張ろうって思えた」

大貴「………」

A「有岡くんが隣にいてくれてよかった。ありがと」



歩きながら、有岡くんがじぃっと私を見下ろした。


少しだけ目が潤んでる。ほんとは有岡くんも酔ってるのかな。
あぁ、くらくらする。色んな意味で酔ってる。





大貴「…もうやだ、お前」

A「えー、ひどいー。じゃあ私も有岡くんやだー」

大貴「そうじゃなくて」

A「あ、ついた！！」



有岡くんがなんとも言えない顔で私を見下ろした。



そして、私の脳とか内臓とか、全身の細胞の
空気の読めなさが露呈した。





ぐらっ、




膝から崩れ落ちそうになった体を、有岡くんが間一髪で受け止めてくれて、肩を組むように支えられて、


鍵どこだって聞かれたから教えたら、
今だけ勘弁してってバッグの中あさって鍵出して、オートロック開けて。




部屋番号教えて、そのまま。




…そのまま。


記憶は段々ぼやけていって、
そこからは全く覚えてない。


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