オワリにしよう。2（Daiki.A）

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帰ってから、その日のうちに有岡くんからのメッセージが来ていた。


内容は、今日まわった店舗の有岡くんなりの分析で、参考にしてくれれば、と。




やたらとスマホをいじっていたのは、これを打っていたからか。てっきり友達多すぎて連絡が絶えないのかと…



どこまでも良い人だなぁ、と思いながら、少しでもレポートをまとめておこうとパソコンを立ち上げた。

有岡くんのおかげで、今日はもうひと頑張りできそうだ。





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後日、まとめたレポートを先方に持って行き、こういう形で順次報告していくということも快諾してくれた。


有岡くんと行った2店舗については、店舗ごとに味つけが違うので酒類を見直した方が無難だとか、
あとは近くに大学がある店舗の方は客層が若いから、もっとカクテルとかサワー系のものを増やした方がいいとかってことを報告した。




やっぱり相手の店にとやかく言うのは気が引けたし、ここまでガッツリ踏み込むのが初めてだったから怖かったけど、不思議と真摯に受け止めてくれていた。



あまりにも穏やかすぎて、社長の着ぐるみを着てる別の人なんじゃないかってあり得ないことを疑ったけど、結論から言うとべつに着ぐるみではなく、本物の社長だった。




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大貴「おつかれ！どうだった？」


帰社するなり、有岡くんがわざわざ席を立って私に駆け寄ってきた。

まだ契約どうこうまでもいってないのに。よほど心配されているんだろうか。




A「すごく好感触だった。有岡くんのおかげだね」


ふふん、って調子に乗る有岡くんと並んで席に戻ると、タイミングを見計らったように誰かがやってきた。






「よぉ」

A「宮西さん！お疲れ様です」



以前この案件を担当してたらしい、宮西さん。

喋り方が独特すぎて最初はみんな怯えるけど、すごく良い人。この人はとにかく喋り方で損してる。




「聞いたぞ？あのチンピラじじい押しつけられたんだって？」


チンピラじじいって…！
思わず吹き出しそうになったけど、会話が止まるのでガマンガマン。




A「はい。あ、でも、今いい感じです！」

「あーそう！そりゃいいことだねぇ！なんだあのじじい、若い女が好きなのか？」



この人は一体何をしに来たのか。
私と有岡くんを前に、社長に対する文句を次々と吐き出し始めた。

私と有岡くんは時々目を合わせつつ、とりあえず黙って聞くことにした。


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