オワリにしよう。2（Daiki.A）

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大貴「なんかさ、気のせいかもしんないけどさっきのとこより味濃くない？」

A「あ、それ同じこと思ってた」

大貴「だよね？」



ふわふわ浮かれる私とは対照的に、有岡くんはとても真面目だった。





顎に手を添え、眉と眉の間にギュッと力を込めながら考えるようにした後、通りかかった店員さんに迷うことなく声をかけた。



見た感じ学生バイトであろう店員さんは彼の質問に少々困惑気味で、結局店長さんが来た。


さすが有岡くん、すぐにその店長さんと打ち解けて、あれやこれやと訊いていた。





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大貴「いいこと聞いたねー」

A「そうだね」




メニュー表を眺めたり、そうかと思えばお店の中を見渡してみたり、店長さんと仲良くなったり



今日の彼は一段と頼もしく見えるし、色々と意見を交わしたりなんかもして、すごく参考になった。





A「ねぇ有岡くん」

大貴「ん？」




スマホをぽちぽちいじっていた有岡くんがようやく顔を上げたタイミングで、私は言った。

やっぱりこういうことは、ちゃんと目を見て伝えたいから。


A「付き合ってくれて本当にありがとう。おかげで良い仕事できそう」




目を何度か瞬かせてから、有岡くんはゆっくりと口角を上げた。




大貴「…こちらこそ」




照れくさい空気をごまかすように、おあいそ！って元気よく店員さんを呼び止める有岡くんは、

なんだかとっても嬉しそうに見えた。

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