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手を洗って戻るとベクがこちらをじっと見ていて身構えた。
なんだかそうやって見られると私が考えていることを全部見透かされているような気になって落ち着かないんだ。
｢足りなかった｣
｢へ？アイス？｣
｢そう｣
欲張りだなぁって言おうとするとベクが立ち上がってこちらに向かってきたので首を傾げると手に持っていた食べかけのアイスを私の手を掴みそのまま口へ運んだ。
｢ちょっ…！私のアイス！｣
自分のアイスを守ろうと手を引こうとしたけどしっかりと掴まれた手は動かない。
ベクの顔を見るとふざけた様子が無いことに気付き固まった。
…何？
どうして急にそんな顔するの？
｢…ベク、それあげるから離して？｣
手を離してくれなくて、また溶けだしたアイスは私とベクの手を濡らした。
それでも私から目を離さずに熱を持った視線が交わる。
この雰囲気は、危ない。
｢ねえ…ベク｣
｢何でもない、ごめん｣
微笑んでそう言うとパッと手を離してベクも洗面所へと消えていった。
離れた手の温もりに不安になり振り返ると、手を洗い終えるとちゃんとこちらに戻ってきた。
…ああ、なんなんだろう私。
本当に酷い女だ。
｢変な事しないからそんな顔しないで、先輩｣
違う。
そうじゃない、自分に嫌気がさしてるの。
傍にベクがいるのにミンソクさんのことばかり考えて、それなのにベクが離れていくのかと思うと不安で怖くなるなんて。
｢先輩が考えそうなことくらい分かるから…先輩が俺を必要としてくれるなら離れないから…絶対に1人にしないから…だから泣きそうな顔しないで｣
苦しい。
胸が押し潰されそうなほど苦しい。
｢ベク｣
｢分かってるから泣かないでってば｣
突っ立ったまま涙を流す私を引き寄せて抱き締め、何度も頭を撫でてくれる。
言葉だけじゃなくて行動でも傍にいるとそう言い聞かせるように。
｢嫌なわけじゃない…嫌じゃない自分が…嫌なの｣
キス以上のことはベクのことを好きなってからだと言ってるのに、まだミンソクさんへの気持ちが残っているにも関わらずベクとそうなっても構わないと思っているんだ。
それが嫌なの。
こんな中途半端な気持ちのまましてはいけないことだって分かってるのに、嫌じゃないのが嫌なの。
きっとベクは他の人のこと考えているのが分かってたからあんな顔してたんだ。
分かっててもこうやって私を抱き締めてくれる。
どんなに時間がかかっても良いと、そう訴えかけるように。
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね！どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね！私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは！わー、ミンソクさん派！ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます！ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ！ (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません（笑） (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年3月15日 18時
