知りたくないこと ページ28
何も言うことが出来ず、ただ見つめることしか出来ない。
完璧に美しい姿目の前に突きつけられ、どんどん自分が惨めに感じてきた。
｢初めて会ったのは4月。今の店舗に異動してきた初日だったはず｣
ということは、私がミンソクさんと出会ったのとこの人がミンソクさんと出会ったのは同じ日だということだ。
スタート地点は、同じだったんだ。
｢貴方、Aさんでしょう？ミンソクから聞いたことある。家が近い職場の人って｣
家が近い職場の人。
そう、ミンソクさんにとって私はそれだけの存在だ。
｢ミンソクと会ったのは病院の中。私は休憩が終わって屋上から降りてくるところで、ミンソクは薬を届けに来て戻るところだったかな｣
たまに薬剤師が病院に薬を届けに行くことがあることは知っていた。
でも、そこで顔を合わせてからどうしたら今の関係にまで辿り着くんだ…？
｢あの時、私泣いてたんだよね。それを見たミンソクが心配してくれて｣
｢ちょっと…待ってください、そこで知り合ったのは分かったんですけどどうして…｣
｢不倫してるかって？私があの後連絡先を教えて、相談に乗ってほしいって言ったの。人目につかないところで会いたい。ミンソクの家で会えない？って｣
それでミンソクさんはこの人を素直に家にあげたの？
既婚者だと知りながら？
｢相談の内容はね、夫の暴力のこと。でもそんなの嘘。夫は凄く優しいしなんの不満も無い。何も無さすぎて刺激が欲しくなったの。何よりミンソクって私のタイプなんだよねぇ｣
ちょっと、待ってよ。
ミンソクさんは、心配して相談に乗るって思ったはずなのに…そんな、理由で？
｢ミンソクは今でも私のこと信じてる。夫が怖い。でも別れられない。愛が欲しい。キスして。私のこと抱いて…ミンソクは全部私の言う通りしてくれるんだ｣
頭が真っ白になって言葉が出てこない。
目の前にいる外見だけ綺麗な人が綺麗に微笑むのをただ見ているだけ。
｢貴方がもし同じことをミンソクに言ったらしてくれると思う？｣
ああ、今凄く惨めだ。
消えてしまいたいくらい、惨め。
そんなの聞かれなくたって分かってるよ。
｢貴方はきっと私が話した事をミンソクには言えないでしょうね｣
言えるわけないじゃないか。
ミンソクさんが事実知ったら…そう思っただけでズキズキと胸が痛む。
｢安心してよ、飽きたらミンソクのこと解放してあげるから｣
そう言うと微笑んでそのまま私の横を通り過ぎて行った。
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね！どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね！私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは！わー、ミンソクさん派！ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます！ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ！ (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません（笑） (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年3月15日 18時
