Episode of OTORI *3* ページ3
氷帝学園の2-Fの教室内で。
「おい、女の鳳」
A「その呼び方いい加減に止めてくれないかな?
日吉君」
ちょたと同じ、テニス部の正レギュラーの日吉君。
根は悪いヤツではないとは思ってるけど、何かと突っかかってきて、つい喧嘩腰になってしまう。
日吉「フン...間違っちゃいないだろ?」
A「あのね、私もちょたも立派な名前があるんですが!」
日吉「忘れたな」
A「おい、こら」
本気でコイツ1発殴ろうかと思ったその時。
日吉「あー...忘れてた。
お前に用があるって来てる」
日吉君が指差す方を見れば
静かにこちらに手を振るちょたがいて。
A「そういうのは早く言って!」
日吉「はいはい」
反省の色まるで無しの日吉君にべーっと舌を出した後
扉の所で待つちょたの元へ駆け寄った。
・
A「ごめんごめん、日吉君が言い忘れてたとか言って...」
長太郎「ううん。...仲良いんだね、2人」
A「まさか!何か嫌な感じで絡んでくるの」
長太郎「...彼、嫌いな人に話し掛けたりしないから、Aの事結構気に入ってるんだよ」
A「止めてよ。...ってか、どうした?」
あ、そうそう、と思い出したように何やらズボンのポケットを探り
私に何かを差し出した。
長太郎「これ、渡すように言われてて」
・
それは、手紙だった。
A「え!...誰から?」
長太郎「...クラスの友達。読むだけ読んであげて」
A「あ、うん...」
とても綺麗な字で鳳A様と表に書かれ、裏には差出人の名前はない。
これってまさか...。
長太郎「じゃあね」
A「え、あ...」
私が呼び止める間もなく、ちょたは自分の教室に戻って行ってしまう。
そのタイミングで授業の始まりを知らせるチャイムが鳴り
私はその手紙を大事に机の中にしまった。
・
長太郎「.........。」
C組の教室で、ちょたが悲しそうにその友達を見つめているとも知らず。
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らんなあ - とても面白かったです (2020年4月20日 16時) (レス) id: aab03e3535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†ハヅキ† | 作成日時:2019年4月14日 14時